回生電力って、そもそもナニ?
回生電力とは
小学校の理科の実験でもおなじみのモーターに乾電池をつなぐと回転するのはご存じの通りです。では、モーターに乾電池をつながずに軸を手で回したらどうなるかご存じでしょうか?
イラストのようにモーターの軸を(無理やり)回すと、モーターは「発電機」として動作します。これは、模型用の小さなモーターでもエレベーターを動かしている大きなモーターでも同じです。このときに発電された電力を「回生電力」と呼びます。 最近では珍しくなくなった電動アシスト自転車では、この回生電力をうまく利用しています。平地や上り坂を漕いで走っているときはバッテリーでモーターを回して人間が楽になるように補助(アシスト)し、下り坂になったらモーターを回して発電機として動かして発電された回生電力を使ってバッテリーを充電するというものです。これは無駄がありませんね。
回生電力のメリット
さきほどの電動アシスト自転車の回生電力は小さいものですが、同じようなことが電車の走行時にも行われています。電車の走行中(特に加速中)は架線から供給された電力でモーターを回しますが、減速するときはモーターを発電させて回生電力を再利用するしくみです。これは自転車とは比較にならないほどの大きな電力を削減する省エネ効果がありますが、発生した回生電力が全て消費されずに余ってしまう可能性もあります。これを「回生失効」と言い、省エネの観点からもあまり良い状態ではありません。このような状態を回避するために回生電力をいったんバッテリーに保存し、必要なときに再利用するという回生電力貯蔵装置も製品化されています。
また、皆さんがふだん使われているエレベーターにも回生電力を有効利用できる製品があります。電力を消費する必要のない下降時などに発生した回生電力をその建物の電気系統に戻して回生電力を再利用するというものです。このように意外と身近なところで回生電力は有効利用されているのです。
合わせて読みたい
回生電力と双方向電源
前項まではモーターの回生電力についてご説明しましたが、モーター以外でも回生電力の再利用は行われています。例えば双方向電源を使って系統の電力(交流)を直流に変換してバッテリーに充電(蓄電)しておき、必要なときにバッテリーの直流を交流に戻して回生電力を再利用するというものです。
このような双方向電源を使うことによって、様々なケースで発生した回生電力を直流に変換してバッテリーに蓄電することができますので、回生電力の再利用をより効率的に行うことが可能となります。
関連ページ
回生型電源(双方向)https://www.keisoku.co.jp/pw/product/power/ene-phant/