インピーダンスって、そもそもナニ?

あらためてオームの法則

有名なオームの法則を思い出してください。電圧と電流、抵抗の関係をあらわした式でしたね。

電圧(V) = 電流(I) × 抵抗(R)

実はこの式は直流回路にあてはまる公式であり、そのままでは交流には使えません。交流では抵抗以外にコンデンサ(キャパシタ)やコイル(インダクタ)も抵抗と同じような働きをするからです。インピーダンスは交流における「抵抗」を総称するものとお考え下さい。

インピーダンス (Z)レジスタンス(R):抵抗
周波数に依存しない
リアクタンス(X)容量性リアクタンス:コンデンサ(キャパシタ)
周波数に依存(周波数が高いほど電流が流れる)
誘導性リアクタンス:コイル(インダクタ)
周波数に依存(周波数が低いほど電流が流れる)

交流では抵抗(R)をインピーダンス(Z)に置き換えてオームの法則を使うことができます。すなわち、

電圧(V)= 電流(I)×インピーダンス(Z)

直流でのオームの法則と同じように見えますが、最も異なるのはインピーダンスの値は周波数に依存するという点です。

インピーダンスとは?

直流では抵抗が電流の流れにくさをあらわしていたように、交流でのインピーダンスは「交流回路での電流の流れにくさ」をあらわすものとなっています。直流では「抵抗」だけでしたが、交流になると「リアクタンス」が増えますので単純ではありませんが、単位は抵抗と同じようにΩ(オーム)が使われ、交流抵抗と呼ばれることもあります。身近なところで表示されているインピーダンスを調べてみると…

機器インピーダンス
オーディオ用ヘッドホンやスピーカ4Ω、8Ω、16Ωなど
同軸ケーブルやアンテナ端子50Ωまたは75Ω
オシロスコープのプローブ10MΩ

これだけみてもインピーダンスには何らかの規則性がありそうですね。例えばオーディオアンプなど信号を出力する側のインピーダンス(出力インピーダンスと呼びます)と信号を受ける側のスピーカのインピーダンスが同じときに効率(消費される電力)が最大になることがわかっています。このためオーディオアンプやスピーカのカタログにはインピーダンスが明記されている訳です。

この中でオシロスコープのプローブだけ飛びぬけて大きなインピーダンスになっていますね。プローブの場合、接続する対象が不特定多数であり、また、プローブを接続したことで回路の状態が変わるとまずいので測定対象の回路が影響を受けにくい大きなインピーダンス(ハイインピーダンス)になっています。

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