銅線の太さ「スケ」って、そもそもナニ?
はじめに
2スケや8スケなどのように使われている「スケ」は英語の square(四角形)を意味したもので、電線(より線)の断面積を表したものですが、日本国内では同じように太さを表す規格AWGも混在して使われているため、わかりにくいと感じている方も多いのではと思います。
名称 | 使われ方 | 備考 |
スケ | 0.5sq 0.5スケなど | squareの略。JIS規格として認定 |
AWG | 20AWGなど | American Wire Gaugeの略。UL規格として認定 |
本稿ではAWGとの比較も交えて「スケ」について掘り下げてみたいと思います。
AWGとの比較
スケ(sq)は数字が大きくなるほど太くなりますが、AWGは数字が大きくなるほど細くなっており、これが分かりにくい原因のひとつになっているかも知れません。
sq | 直径 (mm) | 断面積 (mm2) | AWG | 抵抗値 (Ω/m) | 備考 |
0.05 | 0.255 | 0.051 | 30 | 0.33866 | |
0.08 | 0.321 | 0.081 | 28 | 0.21291 | |
0.12 | 0.405 | 0.129 | 26 | 0.13390 | |
0.2 | 0.511 | 0.205 | 24 | 0.08420 | |
0.3 | 0.644 | 0.326 | 22 | 0.05296 | |
0.5 | 0.812 | 0.518 | 20 | 0.03331 | |
0.75 | 1.024 | 0.823 | 18 | 0.02094 | |
1.25 | 1.291 | 1.31 | 16 | 0.01317 | |
2 | 1.628 | 2.08 | 14 | 0.00828 | |
3.5 | 2.053 | 3.31 | 12 | 0.00521 | |
5.5 | 2.588 | 5.26 | 10 | 0.00328 | |
8 | 3.264 | 8.37 | 8 | 0.00206 | |
14 | 4.115 | 13.3 | 6 | 0.00130 | |
22 | 5.189 | 21.2 | 4 | 0.00082 | |
38 | 6.544 | 33.6 | 2 | 0.00051 | |
- | 7.348 | 42.4 | 1 | 0.00041 | |
60 | 8.252 | 53.5 | 0 | 0.00032 | 1AWG未満は0(ゼロ)の個数で指定 1AWG, 00AWGに相当するsqは対応無し |
- | 9.266 | 67.4 | 00 | 0.00026 | 同上 |
80 | 10.404 | 85 | 000 | 0.00020 | 同上 |
100 | 11.684 | 107 | 0000 | 0.00016 | 同上 |
※抵抗値は銅線の場合の理論値であり、材質等によって異なります。
線材の選定時に注意すること
ほとんど電流が流れない用途では気にする必要はありませんが、線材に大電流を流す場合は「電圧降下」の影響を無視できなくなります。例えば上記表の中で1.25sqの線材を選択した場合、1mあたりの抵抗値は0.01317Ωとなっています。この線材に20Aの電流を流したときの電圧降下は、オームの法則より以下のようになります。
電圧降下(V) = 抵抗×電流=0.01317Ω×20A = 0.2634V
この電圧降下は流れる電流に比例して大きくなりますので、大電流で使用する場合は注意が必要です。
また、大電流を流す用途では線材の許容電流(流すことができる最大電流)についても注意が必要です。許容電流は線材の種類や周囲温度でも規定されていますので、詳しくは使用する線材のカタログ・仕様をご覧ください。
関連ページ
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