耐電圧試験の規格って、そもそもナニ?
耐電圧試験とは
耐電圧試験は絶縁耐力試験やHi-Pot試験とも呼ばれ、電気製品や部品が適切な絶縁耐力を持っているかどうかを確認する試験のことです。これはユーザーの安全を確保するために必要な試験です。例えば、感電や火災、爆発などからユーザーを守るために必要です。
電気製品は、導体と絶縁体から構成されています。もし絶縁体に問題があると、ユーザーが感電したり、火災を引き起こす可能性があります。これらを防ぐために、耐電圧試験、絶縁抵抗試験、漏洩電流試験、アース導通試験などを行います。
各国は、電気製品の安全性を確保するために、これらの試験を製造者に義務づけています。また、製品が安全に作られているかを確認するために、型式試験や全数試験なども行わなければなりません。
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耐電圧試験の方法
耐電圧試験は電気的な強さや絶縁性を測定するため、製品に対して一定の試験電圧を印加します。この試験電圧は、製品の種類や用途によって異なりますが、一般的には1kVから20kVの範囲内に規定されています。
試験は製品に印加された電圧が一定時間内(通常は1分間)に保持され、製品に生じた絶縁損失や異常現象(火花、発煙など)が観察されます。試験終了後、製品に異常が観察されない場合は、耐電圧試験に合格となります。
耐電圧試験は、電気的に安全な製品を確保するために重要な役割を果たします。製品の信頼性や安全性を確保するためには、厳密な耐電圧試験を実施することが求められます。
耐電圧試験に関する安全規格
安全規格は以下のように体系化されており、対象機器によって細かく分類されています。
国際規格:世界各国共通(ISO, IEC, ITUなど)
地域規格:特定の地域内で利用できるもの(EN, GB, GBTなど)
国家規格:国内で有効なもの(JIS, ANSIなど)
団体規格:特定の業界団体でのみ有効なもの
規格番号 | 概要(対象機器) |
IEC/UL 62368-1 | オーディオ/ビデオ、情報通信機器 – パート1:安全要求 |
IEC/UL 60065 | オーディオ、ビデオと同等の電子機器 – 安全要求 |
IEC/UL 60950-1 GB 4943.1 | IT機器 – パート1:一般要求 |
IEC 60598-1 | 照明器具 – パート1:一般要求と試験 |
IEC 61347-1 | 照明制御器具 – パート1:一般安全要求 |
UL 1598 | 照明器具 |
IEC/UL 61010-1 | 測定用機器の安全要求、制御、研究用途 – パート1:一般要求 |
IEC/UL 60601-1 GB9706.1 | 医療電子機器 – 基本的安全と必須性能のための一般要求 |
IEC/UL 60335-1 GB 4706.1 | 家庭用電子機器 – パート1:一般要求 |
IEC 61730-2 | PVモジュールの安全規格 – PVモジュールの安全2:試験のための要求 |
UL 2202 | 電気自動車充電用機器 |
IEC 61851-21 GBT 18487.2 | EV接触充電器 – AC/DC電源への導電接続のための要求 |
IEC 61851-22 GBT 18487.3 | EV導電充電システム – ACのEV用充電ステーション |
IEC 62196-1 GBT 20234.1 | プラグ、ソケット – アウトレット 自動車用カップラとインレット – EV用充電器 |
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絶縁破壊試験って、そもそもナニ? https://www.keisoku.co.jp/pw/u-po/367_tester/
安全試験器(耐電圧/絶縁抵抗) https://www.keisoku.co.jp/pw/product/measuring/tester/