自動検査とは

 オフィスや家庭でみかけるほとんどの電気製品は、製品を出荷する前に機能や性能の検査を実施するのが普通です。例えば、毎日使っているスマホの充電器やPCのACアダプタも例外ではなく出荷される前に検査している訳ですが、これを手作業で行うと手間がかかり効率が悪いため、PCなどを使って自動的に検査することを本稿では「自動検査」と呼びます。

 また、検査した判定結果(合格/PASSまたは不合格/FAIL)及び検査項目個々の結果は「検査成績書」として記録するのが普通であり、ISO9001規格では「トレーサビリティ」として検査結果(データ)の記録を規定しています。

自動検査の必要性

 自動検査は次のような観点から非常に重要です。

観点概要
検査時間の短縮自動検査は手作業での検査とは比較にならないほど短時間で検査を実施することができます。検査にかかる時間は製品の製造原価に影響しますので、検査時間の短縮は製品のコストダウンにも貢献することができます。
製品品質の確保手作業で検査を実施した場合、測定ミス等により正しく検査できない可能性があり、これは製品品質の低下につながります。自動検査では検査速度が速いだけでなく、(検査プログラムが正しければ)ミス無く検査することができますので安定した品質を確保することができます。
検査データの管理製品出荷後に不具合や故障が発生した場合、過去の検査データをさかのぼる(トレース)できることが必要です。自動検査では検査結果をデータベース化して検索することができますので、このような検査データのトレースも容易に可能です。

自動検査の効果

 前項と重複する部分がありますが、自動検査は以下のような効果があります。

効果内容
生産性の向上検査時間の短縮によって生産性が向上し、結果的に製品単価を下げることができます。
品質の向上故障件数が減ることにより品質が向上するだけでなく、メンテナンスコストの低減にも貢献します
作業者の負担軽減検査を自動化することにより、検査作業者の負担が軽減され、検査作業者は他の業務に時間を割くことが出来ます。


自動検査の実現手法

 検査の内容によってその実現手法は異なりますが、スイッチング電源の場合、JEITA(電子情報技術産業協会)によりその検査方法が規格化されています。

JEITA規格番号概要
RC-9131Dスイッチング電源試験方法(AC-DC)
RC-9141Bスイッチング電源試験方法(DC-DC)

 RC-9131DとRC-9141Bは入力仕様が異なる(ACまたはDC)だけで、基本的な検査仕様はほぼ同じであり、主な検査項目のカテゴリは以下の通りです。

検査項目概要
外観及び寸法試験外観、寸法、表示(銘板)
電気的性能試験入出力特性、保護機能試験、立ち上がり・下がり時間、耐電圧試験など
機械的性能試験振動、衝撃
耐候性試験使用温度・湿度囲、保存温度・湿度範囲

外観及び寸法試験

 寸法については製品の開発段階や試作の段階で評価していれば、毎回の出荷検査では省略することが多いと思われますが、仮に検査するとしてもコスト的な問題で自動化は難しいため目視検査のケースが多いようです。外観と表示については製品の出荷検査で実施されますが、こちらもコスト的な問題で目視検査が多いと思われます。(今後AIがさらに進化し、低価格で実現できるようになる可能性はあると思われます。)

電気的性能試験

 電気的性能試験は自動検査に適しており、多くのケースで実施されていますが、検査項目によっては以下のように実施が難しい場合もあります。

〇:検査自動化可能 △:検査可能だが自動化は難しい -:出荷検査では実施されていない

検査項目検査自動化概要
力率入力の力率測定
効率出力電力の合計 ÷ 入力電力により算出
高調波電流JIS C 61000-3-2及びJIS C 61000-4-7に準じた高調波電流の測定
突入電流パワーメータ等により測定
出力電圧可変範囲出力電圧可変ボリュームを左右いっぱいに回したときの出力電圧を測定(手作業が必要のため△となります)
非独立制御設定許容値多出力電源において制御系出力とそうでない(非制御系出力)とのばらつきを確認する
静的入力変動入力電圧を規定の変動幅だけ変動し、入力電圧が安定したときの出力電圧を測定し、出力電圧の変動幅を確認する ※ラインレギュレーションとも呼ばれる
静的負荷変動出力負荷電流を規定の変動幅だけ変動し、負荷電流が安定したときの出力電圧を測定し、出力電圧の変動幅を確認する ※ロードレギュレーションとも呼ばれる
静的相互負荷変動多出力電源において、あるチャンネルの負荷電流を変動したときの他のチャンネルへの影響度を確認する。 ※クロスレギュレーションとも呼ばれる
周囲温度変動D.U.T.(被検査スイッチング電源)の周囲温度を変動したときの出力電圧安定度を確認する
初期ドリフトD.U.T.の電源入力をONしてから30分間の出力電圧変化を確認する。
経時ドリフト初期ドリフト検査で30分経過してから、さらに8時間経過するまでの出力電圧変化を確認する
動的入力変動入力電圧を規定の変動幅だけ急激に変動し、入力電圧が変化したタイミングでの入出力波形を観測する ※入力急変とも呼ばれる
動的負荷変動出力負荷電流を規定の変動幅だけ急激に変動し、電流が変化したタイミングでの出力電流・電圧波形を観測する ※負荷急変とも呼ばれる
回復時間入力電圧または負荷電流を急変させたとき、影響されて変動した出力電圧が定格電圧に戻るまでの時間を観測する
リップル電圧DC出力に定格電流を流したとき、出力電圧に含まれるリップル電圧(スイッチング周期に同期したp-p電圧)を測定 ※スパイクノイズ成分は除外する
ノイズ電圧DC出力に定格電流を流したとき、出力電圧に含まれるノイズ電圧(スイッチング周期に同期したp-p電圧)を測定 ※前項のリップル成分は除外する
リップルノイズ電圧DC出力に定格電流を流したとき、出力電圧に含まれるリップル及びノイズ電圧(スイッチング周期に同期したp-p電圧)の合計を測定
過電流保護D.U.T.の過電流保護回路が動作するまで出力電流を増加させ、保護回路の動作点を確認する
過電圧保護D.U.T.のDC出力に外部からDC電圧を印加し、この電圧を過電圧保護回路が動作するまで電圧を上昇させ、保護回路の動作点を確認する ※D.U.T.の仕様によって他の方法が採用されることもある
リモートON/OFFコントロールリモートON/OFF機能を内蔵したD.U.T.のときに、リレー接点等によりON/OFF動作を確認する
リモートセンシングD.U.T.のリモートセンシング(出力電圧降下補正)機能を確認する
絶縁抵抗D.U.T.の規定の端子(あるいはシャーシ)間の絶縁抵抗を測定する ※各種測定や保護回路試験などの通電試験とは別工程で実施されることが多い
耐電圧D.U.T.の規定の端子(あるいはシャーシ)間の耐電圧を測定する ※各種測定や保護回路試験などの通電試験とは別工程で実施されることが多い
雷サージ電圧D.U.T.の動作中に規定の端子間または規定の端子と筐体間に規定のせん頭値を有するサージ電圧を印加する
静電気放電試験D.U.T.の動作中に電源の表面(ケースやスイッチ等)に規定の静電エネルギーを放電させ、正常に動作することを確認する。
遅延時間D.U.T.に入力電圧を印加後、出力電圧が10%に立ち上がるまでの時間を測定
立ち上がり時間D.U.T.に入力電圧を印加後、出力電圧が10%から90%にに立ち上がるまでの時間を測定
出力保持時間D.U.T.の入力電圧を遮断後、出力電圧が定格を保持している時間を測定
立ち下がり時間D.U.T.の入力電圧を遮断後、出力電圧が90%から10%にに立ち下がるまでの時間を測定
起動時間D.U.T.に入力電圧を印加後、出力電圧が90%に立ち上がるまでの時間を測定
瞬停保証時間D.U.T.の入力電圧を入力周波数の半サイクル単位で瞬断させ、また、入力電圧を50%まで低下させたとき、出力電圧が定格範囲内にある時間を測定
出力インピーダンス規定の測定条件によりD.U.T.の出力インピーダンスを測定
接触電流(漏えい電流)IEC 60950-1 / IEC 62368-1に準拠した模擬回路を接続したときの接触電流を測定
入力雑音電圧耐量D.U.T.の入力端子と筐体間または入力端子相互間に規定の幅及び波高値を有するパルス電圧(商用電源に同期)を印加し、D.U.T.が正常に動作することを確認
雑音端子電圧D.U.T.の入力端子に発生する高周波雑音電圧を規定の周波数範囲にわたって測定
雑音電界強度D.U.T.から水平距離で3mまたは10m離れた点に受信用アンテナを設置し、その点における雑音電界強度を規定の周波数範囲にわたって測定

機械的性能試験

 振動や衝撃に対する耐性を検査するものですが、これについては開発段階に確認していれば、製品の出荷検査時は省略することが多いと思われますが、製品の使用環境によっては毎回の出荷検査時に実施する場合もあります。

耐候性試験

 一般的には試作品の評価段階で実施しており、製品の出荷検査では実施されていません。

 これらの試験規格はJEITAスイッチング電源委員会により策定された「基準」であり、具体的な測定や試験方法はスイッチング電源のメーカによって異なる場合があります。

スイッチング電源の自動検査

 スイッチング電源の検査内容としては、前項のJEITA規格により基本的な部分はカバーしていますが、自動検査の実現方法については様々なアプローチがあります。ここでは電気的性能試験の自動検査について、その実現方法を考えてみます。下図は一般的な自動検査システムの機器構成図です。

機器等概要
自動検査ソフトウエアPCからのリモートコントロールにより各機器を設定したり測定結果を取得したりして自動検査を実現します。測定した結果を保存し、そのデータをもとに検査成績書などを作成するための機能も必要です。
コントロールGP-IB, USB, LANなど
入力用電源AC入力の場合:交流電源 DC入力の場合:直流電源、バイポーラ電源など
入力用測定器パワーメータなど
出力用負荷装置電子負荷(またはリップルメータ内蔵電子負荷)
出力用測定器リップルメータ等
過電圧印加装置直流電源(外部に接続ON/OFF用リレースキャナが必要)
時間測定装置デジタルオシロスコープ、シーケンス測定器

自動検査ソフトウエア

 スイッチング電源に限らず様々なD.U.T.の自動検査を行うためには、主に以下のようなソフトウエアの開発(プログラミング)が必要となります。

 ・ユーザインターフェース(検査プログラムステップの作成、実行など)

 ・計測器の制御(計測器コントロール用ドライバの開発)

 ・測定結果の保存(データ処理)

 ・検査成績書の作成(データ検索)

 このように、自動検査プログラムを開発するためにはユーザインターフェースだけでなく様々なプログラミングが必要になりますので容易ではありません。とりわけ計測器の制御は一般的なアプリケーションの開発とは異なり「ハードウエアのドライバ開発」となりますので、より難易度が高くなります。

 短期間で自動検査装置を立ち上げる必要がある場合、検査ソフトウエアを1から開発するのは現実的ではなく、様々なD.U.T.に特化されたパッケージソフトウエアを導入するのが早道と思われます。

コントロール

 PCから計測器をコントロールするインターフェースは主に次のようなものがあります。

インターフェース概要
GP-IB (IEEE488)計測器用のインターフェースとして古くから使われている。 長所:コネクタは堅牢で容易に抜けない。複数の計測器制御用に設計されている 短所:大容量のデータ転送には向かない
USBPCの標準インターフェースとして広く普及 長所:ローコスト 短所:コネクタが抜けやすい
LAN (10BASE-Tなど)絶縁されており長距離の転送にも使える 長所:比較的ローコスト 短所: コネクタの爪が折れやすく、折れるとすぐに外れる

 一般的な用途での普及率はUSBやLANが高いのは間違いありませんが、例えばスイッチング電源の自動計測に限定するとGP-IBの方が適していると思われます。その理由としては

 ・計測制御用途では古くからデファクトスタンダードになっており、今後も続くと思われる。

 ・コネクタが容易に抜けないので不用意に抜けたことによる障害が発生することはない。

 ・転送するのは主にテキストデータであり、大容量のデータを転送することは少ない。

入力用電源

 スイッチング電源の入力供給用電源としては以下のようなものが使われています。

入力用電源概要
交流電源AC/DCコンバータの試験用
直流電源DC/DCコンバータの試験用
バイポーラ電源高速に入力を変動したいときに使用されます。
DCスイッチ直流電源の出力を高速にON/OFFすることで突入電流の測定などを行います

入力用測定器

 スイッチング電源の入力電流や電力、力率などを測定します。

入力用測定器概要
パワーメータ基本は交流電力測定用に使用しますが、DC測定に対応したパワーメータは、DC/DCコンバータの入力測定にも使用可能です。
DCスイッチ電流センサ(シャント抵抗)を内蔵しており、DC/DCコンバータの入力電流測定に使用できます。

出力用負荷装置

 スイッチング電源の出力電流を流すための負荷装置です。

出力用負荷装置概要
単ch電子負荷一般的なデスクトップタイプの電子負荷です。
多ch電子負荷複数の負荷モジュールを組み合わせて使うことができる電子負荷です。
LED電源用電子負荷LEDの点灯用に特化したLED電源用電子負荷です。
自動検査専用電子負荷操作パネルを持たない自動検査装置専用の電子負荷です。電子負荷だけでなく、スイッチング電源検査に必要なリップルノイズ測定や過電圧保護機能の検査用電源なども内蔵しています。

出力用測定器

 スイッチング電源の出力電圧やリップルノイズ電圧を測定するための測定器です。

出力用測定器概要
リップルノイズメータスイッチング電源の直流出力に現れるリップルノイズを測定するための測定器です。
デジタルマルチメータ一般的なデジタルマルチメータです。
電子負荷内蔵測定器電子負荷にリップルノイズ測定機能を内蔵できるときは、外部に設置するよりもローコストで実現することができます。

過電圧印加装置

 スイッチング電源のO.V.P.(過電圧保護機能)の試験を行うためのものです。

過電圧印加装置概要
印加用直流電源スイッチング電源の直流出力に外部から電圧を印加し、過電圧保護機能が動作するポイントまで電圧を上昇させて試験します。
スイッチユニット印加のON/OFFを制御し、OFFのタイミングで出力を監視します。

※スイッチング電源の仕様によっては、このような外部印加方式ではなく専用のアルゴリズムで試験する場合もあります。

時間測定装置

 スイッチング電源の入力に電源を投入してから出力が立ち上がるまでの時間など、様々な時間を測定するときに使用します。

時間測定装置概要
シーケンス測定器スイッチング電源の出力立ち上がり・立ち下がり時間などを測定できる専用の測定器で、内部には時間測定用のカウンタ回路が複数内蔵されています。
オシロスコープ立ち上り測定などはオシロスコープでも出来ますが、一般的には検査で使われることは少なく、試作品の評価等で使われています。

主な自動検査装置

PTS-mini / LTS-mini – 小規模スイッチング電源用のミニシステム

ハードウエア機器構成

 PTS-mini / LTS-miniはローコストモデルで最小構成の検査システムとなっており、ACアダプタなど、1~4チャンネルのAC/DCコンバータ検査に適しています。

機器主な仕様備考
入力電源交流電源のみDC入力は非対応
入力測定交流電源またはパワーメータ 
出力負荷4チャンネル以内 
出力測定リップルノイズメータまたは電子負荷内蔵オプション
その他シーケンス測定非対応 

具体的な対応機器については、巻末の対応機器一覧をご覧ください。

【交流電源+電子負荷の最小構成例】

PW-800 – 5chオールインワン電源テスターをベースとしたシステム

ハードウエア機器構成

 PW-800は検査ラインで最も実績のあるモデルであり、パワーサプライテスタmodel-800Eをベースとした構成となっています。

機器主な仕様備考
入力電源AC/DC入力対応 
入力測定交流電源またはパワーメータ 
出力負荷model-800Eをベーストータル20チャンネルまで拡張可能
拡張負荷model-800Eまたは汎用電子負荷 
出力測定model-800Eまたはリップルノイズメータまたは電子負荷内蔵オプションRC-02A(Load Stationシリーズ専用)
OV機能検査DC電源+8chスキャナmodel-800Eに内蔵
DVM測定DC電圧測定+16chスキャナmodel-800Eに内蔵
デジタルI/Oフォトカプラ入力8ch及びオープンコレクタ出力8chmodel-800Eに内蔵
オプション8chコンタクト(リレー接点)ボード、3chシーケンス測定ボードmodel-800E拡張スロット用ボード
その他リモートボックス(SC-816A)model-800E標準添付

具体的な対応機器については、巻末の対応機器一覧をご覧ください。

【5ch基本システム構成】

PW-5000 - 大規模スイッチング電源にも対応可能なセミオーダーシステム

ハードウエア機器構成

 PW-5000はセミオーダーシステムとなっており、お客様の要望に従って検査システムを構築させていただきます。具体的な使用可能機器につきましては巻末の対応機器一覧をご覧ください。

機器主な仕様備考
入力電源AC/DC入力対応 
入力測定交流電源またはパワーメータ 
出力負荷汎用電子負荷トータル20チャンネルまで拡張可能
出力測定電子負荷内蔵オプションRC-02Aまたはリップルノイズメータ 
スキャナ機能ユニバーサルスキャナSC-800Aスキャナ用フレームユニット
OV機能検査SC-820 (8chスキャナ)SC-800A用ボード
DVM測定SC-830 (8chスキャナ)SC-800A用ボード
デジタルI/OSC-850 (フォトカプラ入力8ch及びオープンコレクタ出力8ch)SC-800A用ボード
コンタクトSC-840 (8chコンタクト)SC-800A用ボード
リモートBOXSC-810 + SC-816ASC-800A用オプション
シーケンス測定MR8741 + 8966日置電機製レコーダ
その他  

自動検査ソフトウエアPowerTestSiteシリーズ

PowerTestSiteシリーズの構成

PowerTestSiteシリーズは対象製品によって以下のように分類されています。これらのソフトウエアは外観及び操作性の互換性があります。

名称対象製品備考
PowerTestSiteMINIPTS-mini / LTS-mini2製品でソフトウエアを共用
PowerTestSite/PW-800PW-800 
PowerTestSitePROPW-5000 

 なお、これらのソフトウエアで作成した検査プログラムの互換性(流用可否)については以下のようになっており、基本的には「流用できない」とお考え下さい。なお、同じソフトウエア同士の場合でも機器構成が異なる場合はPSFファイル(システム定義ファイル)の変更が必要となります。

 作成元
PowerTestSiteMINIPowerTestSite/PW-800PowerTestSitePRO
流用側PowerTestSiteMINI××
PowerTestSite/PW-800××
PowerTestSitePRO×

機器の構成によっては流用できない場合があります。

検査プログラムの作成手順

 PowerTestSiteシリーズは、スイッチング電源の自動検査に特化しているため、最小限のパラメータを入力するだけで検査プログラムの作成が可能であり、面倒なプログラミングは不要です。実際の検査プログラムは以下のような手順で作成することができます。

STEP1 テスト項目リストから項目を選択し、右側の検査プログラムエリアにドラッグ&ドロップ

STEP2 ドロップした行を開く

STEP3 必要なパラメータ(下記の例では、100V)を入力する。

主なテスト項目

INPUT MEASUREMENT(入力測定)

㎰(電源選択)AC / DC
測定項目選択電圧 / 電流 / 電力 / 力率 / 効率
upper検査上限値
lower検査下限値
memory測定結果をメモリに格納するときに格納場所を選択

LOAD SETUP(負荷設定)

do負荷設定を実行するチャンネルににチェックを入れる
name負荷チャンネルの名称(PSFファイル内で定義されている)
mode負荷モード(選択項目は使用する電子負荷の仕様に依存)
set負荷設定値
tolerance負荷設定直後の電流チェック幅(※)

0Aを設定したいときは、100%を設定する。

OUTPUT MEASUREMENT(出力測定)

do出力測定を実行するチャンネルににチェックを入れる
name負荷チャンネルの名称(PSFファイル内で定義されている)
mode測定モードの選択 DCV:直流電圧    DCC:直流電流 DCP:DCV×DCCの計算値 NOISE:ノイズ電圧  RIPPLE:リップル電圧 FRQ:周波数  RESIST:抵抗値  ACV:交流電圧 ※FRQ, RESIST, ACV測定はデジタルマルチメータが必要
upper検査上限値
lower検査下限値
set帯域制限フィルタやリップル分離比の設定をするときチェック
filter帯域制限フィルタの設定 LF:低域通過フィルタを挿入 HF :高域通過フィルタを挿入 LF+HF :LFの測定結果とHFの測定結果を加算 THRU:フィルタ無し
ratioリップル分離比の設定 model-800E:1~15%(設定分解能:1%) RC-02A:0~50%(設定分解能:0.5%) RM-104:0~50%(設定分解能:0.5%)
memory測定結果をメモリに格納するときに格納場所を選択

O.C.P. TEST(過電流保護機能試験)

loadch使用する負荷チャンネル
mode負荷モード
startテスト開始電流値
endテスト終了電流値
step電流変化のステップ
wait変化毎の待ち時間(秒)
measuremodeテスト判定のモード
ch測定するチャンネル
th終了条件値
V-C simultaneously電圧と電流を同時に測定(model-800Eのみ)
shut down at endテスト終了時に入力電源を落とすかどうか
judgementcurr電流値による判定
upper検査上限値
lower検査下限値
volt電圧値による判定
upper検査上限値
lower検査下限値
judge value負荷電流の判定方法

対応機器一覧

 以下の機器リストは、過去に動作実績のある機器の一覧となっておりますが、リストに無い機器でも対応可能な場合がありますので、別途ご相談ください。

PowerTestSiteシリーズソフトウェア対応機器一覧_20240726