初心者向けプログラミング講座 
Pythonで計測器を制御し、測定値をグラフ化しよう(全10回構成)

この講座では、Pythonを使って計測器(GP-IBやUSB接続)をコントロールし、取得した測定値をグラフ化するプログラムを作成します。Pythonの基本から始め、計測器制御やデータの可視化まで、実践的な技術を体系的に学ぶことができます。

概要と目的

対象者プログラミング初心者。Python経験がほぼない方を想定。
目標計測器の制御に必要なPythonプログラミングスキルを習得し、データ取得からグラフ作成までの流れを理解する。
ハードウェアUSBまたはGP-IBを通して接続された計測器
ソフトウェアPython 3.x、必要なPythonライブラリ
学習内容基本的なPython文法、外部ライブラリの使用、計測器制御(通信プロトコルの基礎含む)、データ可視化の基礎

準備するもの

  1. Python(推奨環境:Python 3.9以上、Anaconda環境が便利)
  2. 必要なライブラリ(pyvisa, matplotlib, numpy, time など)
    Pythonやライブラリのインストール手順については講座内で説明します。
  3. 制御対象の計測器(USBまたはGP-IB接続が推奨)
  4. 計測器マニュアル(メーカー提供のものを用意してください)

この講座を終える頃には、計測器制御の分野で応用できる基礎的なPythonスキルを身につけることができます。
それでは、一緒にプログラミング学習を始めましょう!

合わせて読みたい

カリキュラム概要(全10回)

第1回講座の紹介とPythonの基本操作
目的講座の概要を理解し、Pythonの基本操作を学ぶ。
内容本講座のゴールと使用するツールの紹介
Pythonのインストール(Anacondaや標準Python環境推奨)
Pythonの基本文法(変数、データ型、演算子)
簡単な「Hello, World」を書いて、Pythonのスクリプト実行方法を学ぶ。
演習:基本的な変数と計算を使用したプログラムを作成する。
第2回Pythonの制御文と関数
目的制御文(条件分岐・ループ)と関数を使った効率的なプログラムの書き方を学ぶ。
内容if文とfor文、while文の基礎
関数の作成と利用
計測器制御でよく出てくる「繰り返し処理」の基本アイデア
演習:リスト内のデータを処理する簡単な関数を作成する。
第3回Pythonでライブラリを使った開発
目的外部ライブラリを利用する方法を学ぶ。
内容pipを使ったライブラリのインストール方法
計測器制御で必要となるライブラリの紹介(例:pyvisa、numpy)
Pythonライブラリの使い方(基礎編)
演習:numpyを使って数値データを生成・操作してみる。
第4回計測器制御の基礎知識
目的GP-IBやUSBを使った計測器の制御に必要な基礎技能を学ぶ。
内容計測器とPCの接続方法(ハードウェア紹介)
接続プロトコルの基礎(簡単な説明:GP-IB、USB、VISAなど)
計測器メーカー提供のドライバ・マニュアルの確認方法
演習:ネットで任意の測定器のマニュアルを調べ、コマンドの情報を収集する。
第5回データの可視化(グラフ作成)
目的Pythonで計測器に接続する基本的な方法を学ぶ。
内容pyvisaライブラリを導入して計測器に接続
初期化と基本的なコマンド送受信の実践
コマンドで簡単な計測動作を実施(例:測定器のIDを取得する操作)
演習:接続された計測器の設定を変更する。
第6回測定データの取得と基本的な処理
目的計測器からデータを取得し、Pythonで処理する方法を学ぶ。
内容計測器からデータを取得する(例:電圧値や周波数の測定値)
テキストファイルへの保存
データの加工処理(例:最大値、最小値、平均値)
演習:取得したデータの加工プログラムを作成する。
第7回データの可視化(グラフ作成)
目的取得した測定データをグラフ化する方法を学ぶ。
内容matplotlibライブラリを使用したグラフ作成
折れ線グラフ、散布図、棒グラフの描画方法
グラフのカスタマイズ(タイトルや軸ラベルの設定)
演習:取得データを基に折れ線グラフを描画する。
第8回リアルタイムデータの可視化
目的複数データを取得し、それを逐次的にグラフに表示する方法を学ぶ。
内容時系列データの収集と表示
リアルタイムで更新されるグラフの作成方法
測定頻度とプログラムの時間制御(例:timeライブラリの使用)
演習:リアルタイムに更新されるグラフプログラムを作成する。
第9回プログラム全体の構築と整理
目的これまで学んだ知識を統合し、動作するプログラムを構築する。
内容測定器からのデータ取得とグラフ化を1つのプログラムに組み込む
エラーハンドリングの方法(例:計測器接続エラーやデータ異常時の対応)
ユーザーインターフェースの充実(例:ファイルへの保存設定)
演習:完成したプログラムを動作させ、動作チェックを行う。
第10回応用例とまとめ
目的さらに応用可能なアイデアを学び、講座を総括する。
内容応用例の紹介(例:複数デバイスの接続、データベースへの書き込み)
プログラムの改造案や追加機能の提案
本講座の振り返りと今後の学習指針
演習:とくに機能追加や改善したいプログラム部分を拡張する。ログラム全体の構築と整理