音や振動のひずみ、交流電源やインバータ波形のひずみ測定器として様々な活用が可能です。周波数帯域は10Hz~110kHzで、バランス、アンバランスの切替ができます。ACレベル、DCレベル、ひずみ、周波数の測定が高精度で実施できます。
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お問い合わせ本体標準価格(税抜):¥720,000 / 価格表・オプション情報はこちらをクリック >>
型名 | 概要 | 標準価格(税別) |
---|---|---|
MAS-8410(注1) | オーディオアナライザ | ¥720,000 |
MAS-8400(OSCオプション) | MAS-8400シリーズ用 OSC オプション | ¥50,000 |
MAS-8400 LPFオプション | オーディオアナライザ・LPFオプション | ¥95,000 |
MAS-8400 HPFオプション | オーディオアナライザ・HPFオプション | ¥95,000 |
MAS-8400(APOオプション) | MAS-8400シリーズ用 電源オプション | ¥50,000 |
注1:2023年6月にて生産終了となります。後継機種はMAS-8500(DA)となります。
注2:価格は予告なく変更される場合がありますので、予めご了承下さい。
- 特長
- 仕様
- カタログ
- FAQ
- ソフトウェア
- AC/DC電圧レベル、ひずみ率、周波数の測定
- 別途信号源を用意して使用する場合など
使用例
電話・インターフォン・放送設備などに
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アナライザ
交流電源やインバータのひずみ率の測定について
ひずみというと高調波抑制対策ガイドラインなどに示される、電気を使用する機器の発生する高調波電流による電流や電圧の波形のひずみの事を思い浮かべられる方も多いと思います。今回は電源を供給する側の交流電源装置やインバータ、コンバータ機器が自ら発生する高調波電圧のひずみ測定について説明致します。
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電源装置には交流電源装置と直流電源装置が有りますが、いずれの装置にも整流回路やインバータ回路、コンバータ回路などが含まれております。それらの回路では交流を直流に変換したり、直流を交流に変換したりする際に、電流や電圧の方向を急峻に変化させます。この急峻な電流や電圧の変化に依って高調波電圧やノイズ電圧が多く発生します。この高調波電圧やノイズ電圧は、電源の供給を受ける機器へ電力と共に供給され、電波障害、トランスやコンデンサーなどの高温化損傷、位相の変化による回転制御系への影響など広い範囲に渡って様々な障害を引き起こす原因となります。
その為、交流電源やインバータ、コンバータ装置に於いては、出力する基本波に対して、高調波電圧やノイズ電圧がどの程度含まれているかを示すスペック、「ひずみ率」が有ります。
高調波電圧は、基本波の整数倍の周波数成分で、例えば、基本波の周波数が50Hzの場合、高調波成分は、100Hz,150Hz、200Hz・・・50×N Hz となります。ノイズ電圧は高調波電圧以外の周波数成分の電圧になります。
ひずみ率は、これらの高調波電圧の合計とノイズ電圧の合計と基本波との比に依って求められます。
具体的には、ひずみ率を算出する方法としては 以下の3つが有ります。
【1】 従来のメータ式測定器に多く見られるひずみ率の算出方式で、基本波に対して高調波成分の少ない場合に簡易的に用いられます。
![](https://www.keisoku.co.jp/pw/wp-content/uploads/2024/05/8410_document_1.webp)
【2】 全高調波ひずみ率(真のひずみ率)=THD (total harmonic distortionまたはdistortion factor)と言われ、純粋に基本波の高調波成分のみに対してひずみ率を算出します。
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![](https://www.keisoku.co.jp/pw/wp-content/uploads/2024/05/8410_document_3.webp)
※V2:第2次高調波電圧の実効値、V3:第3次高調波電圧の実効値以下
同様に、Vn:第n次高調波電圧の実効値
【3】 全高調波ひずみ+ノイズ(total harmonic distortion plus noise、THD+N)
N は直流を除いた全てのノイズ成分の実効値。全高調波ひずみに加え電源の出力波形に重畳されているハムやノイズ成分合計をひずみ率として算出します。
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![](https://www.keisoku.co.jp/pw/wp-content/uploads/2024/05/8410_document_5.webp)
この様にひずみ率の測定には3通りの方法が有りますが、電力を受ける機器にとっては、高調波ひずみ以外の電源ハムのノイズやインバータのスイチィングノイズなどからも区別なく悪影響を受けることになりますので、電源機器やインバータ装置に於いては一般的に、【3】の「高調波ひずみ+ノイズ」のひずみ率を用いて測定します。
さて、電源の出力電圧に重畳されるノイズ成分には高調波成分の周波数帯域を遥かに超えた帯域の成分まで、含まれるのが一般的です。従って機器に悪影響を与えるノイズ電圧を正確にひずみ率に反映させるためには、広帯域の測定器が必要です。
![](https://www.keisoku.co.jp/pw/wp-content/uploads/2024/05/8410_document_6.webp)
・入力はフローティングにして、差動(平衡モードにて測定。
・入力インピーダンスは200KΩ。(差動の場合)
・測定周波数は110Khzまで(実質測定帯域は500kHz)。
・LPF(20KHz,80KHz),HPF(100Hz,200Hz,400Hz)の中から任意設定可能。
・入力電圧は100Vrms。それ以上の電圧は抵抗分圧して入力。
・測定内容はACレベル、ひずみ、周波数、S/N
・ひずみはTHD(全高調波ひずみ)とTHD+N(ノイズ成分)の両方を切り替えて測定可能。
・ひずみの測定範囲は0.01%~30%
・パソコンを使用する場合はひずみ成分をスペクトラム波形で確認可能。
・本体単体、またはPCで使用可能。アプリケーソンソフトは無償で付属。
特長
1) 入力は差動入力となっており、測定環境の影響を受けにくくなっております。
2) 測定周波数は10HZ~110KHZと広帯域になっています。
3) 入力インピーダンスは100KΩです。
4) ひずみ率は0.01%から測定可能です。
5) ハイパスフィルター(100Hz,200Hz,400Hz)
6) ローパスフィルタ(20kHz,80kHz)
7) THDとTHD+Nの測定が切替で測定可能
周波数スペクトル(リニアスペクトル)とパワースペクトル、エネルギースペクトルについて
リニアスペクトル | パワースペクトル | |
縦軸の実数表記 | リニア | 対数表記 |
ピークごとの振幅の違い(2倍以下)を見つけ易い。 | 広い範囲の信号を一目で見れる | |
比を直感的に読み取り易い。 | 周波数との依存関係(周波数の二乗に反比例など)を把握し易い。 |
※パワースペクトル:リニアスペクトルのときの値の2乗平均値
単位は [V^2] かデシベルを使って、 [dBV]
【パワースペクトル密度(PSD)】
FFTで求めた振幅値(単位:V・s)を2乗してFFTの時間窓長Tで割る。
単位は、V^2/Hz単位周波数(1Hz)当たりのパワー値。
アンプなどの入力換算ノイズ、ランダム信号などのパワー値。
【エネルギースペクトル密度(ESD)】
PSDにTを再度掛ける その単位は V^2・s/Hz
この物理的意味は、ある時間窓長における信号のエネルギー値
その用途:衝撃波形のエネルギースペクトル
計測部
- 直流電圧測定
- 交流電圧測定
- 歪測定
- 周波数測定
計測部 | ||
---|---|---|
直流電圧 測定 | 測定チャネル | 1CH |
入力インピーダンス | 1M Ω以上 | |
入力レンジ | 0.316VFS ~ 100VFS 4レンジ (AUTO/MANU) | |
測定確度 | 各レンジのフルスケール値±0.5% | |
測定分解能 | 各レンジのフルスケール値の0.1 % | |
交流電圧 測定 | 測定チャネル | 切替2CH |
入力方式 | 平衡、不平衡 切替 | |
入力インピーダンス | 100kΩ 以上 | |
入力レンジ | 316mV (-10dBV) ~ 100.0V (40dBV) 6 レンジ (AUTO/MANU) | |
レベル測定 | 応答特性 | 真の実効値応答 |
有効測定範囲 | 0.0316mVrms~ 100.0Vrms | |
測定確度 | ±0.4dB V 以内(40 dBV ~ -70 dBV at 1 kHz) | |
測定分解能 | 各フルスケール値の0.1 % | |
周波数特性 | 40dBV ~ -70dBV ± 0.8dBV以内 (10Hz ~ 110kHz)1kHz 基準(※20 Hz ~ 80 kHzを除く) ± 0.4dBV 以内 (20Hz ~ 80kHz)1kHz 基準 |
|
歪測定 | 測定周波数 | 10Hz ~ 110KHz |
測定確度 | ±1dB以内 (20Hz ~ 20kHz) 第二高調波偏差 ±3dB以内 10 Hz ~ 110 kHz | |
測定分解能 | 各フルスケール値の0.1 % | |
測定モード | THDとTHD+N ノッチフィルタ 周波数設定可能 | |
残留ひずみ率 | 入力レンジ 10dBV 入力レベル 10 dBVの代表値 -100dB 以下 :10Hz ~ 15kHz(80kHzBW) -90dB 以下 :15.1 k Hz ~ 20kHz(80kHzBW) -80dB 以下 :20.1 k Hz ~ 110kHz(500kHzBW) |
|
フィルター | 種類 | HPF/LPF/PRE LPF/PSOPHO |
聴感補正(PSOPHO) | IEC-A,CCIR/ARM,DIN-A | |
周波数 測定 | 周波数測定範囲 | 10Hz ~ 110 k Hz |
分解能表示 | 周波数 ≧ 100Hz 5 桁数字表示 周波数 | |
確度 | ±5×10 ⁻⁵ ±1ディジット | |
入力範囲 | 25mVrms ~ 100.0Vrms | |
一般仕様 |
||
インターフェース | HDMI×1 / LAN (TCP/IP , 10/100Base-T) ×1 / USB-A ×3 / USB-B ×1 | |
定格電源電圧 | AC 100 V ~ 240V 50/60Hz | |
消費電力 | 約30VA(OSCなし)、 約35VA(OSC有り) | |
外形寸法・質量 | 300(W) × 100(H) × 385(D) mm・約4.5㎏ | |
確度保証温度・湿度範囲 | 10℃~35℃、5%~85%RH(結露無きこと) | |
保管温度・湿度範囲 | -10℃~50℃、5%~95%RH(結露無きこと) |
8400シリーズ共通
-
製品の詳細を知りたいのですが。
-
現在このシリーズは大きく分けて「オーディオアナライザー」と「信号発生器」の2タイプがございます。
それぞれの製品につきましては下記をご参照ください。
-
MAS-8400とMAS-8401はどのような違いがありますか?
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MAS-8401はSGの内部変調周波数がプログラマブルな設定が可能になっていますが、MAS-8400は固定周波数の選択式となっています。
-
旧機種から買い替える場合の選定方法は?
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MAS-8400シリーズはモデル毎に後継がございます。以下、ご参照ください。
旧機種 後継機種 MAS-8400 MAS-8401 MAS-8400OSC MAS-8401OSC MAS-8420 MAS-8421 この他の製品につきましては、販売終了品一覧にまとめております。併せてご覧ください。
-
FFT解析機能とはなんですか?
-
入力されたアナログ信号を標本化したデジタル信号にFFT(高速フーリエ変換)処理し、周波数ドメインで表示することにより波形に含まれる周波数成分の解析ができる機能となります。
こちらも併せてご覧ください。
-
使用可能なモニタを教えてください
-
接続可能なモニタの基本条件は以下のようになっております。
- HDMI 1.4a
- 解像度
1920×1080 @30Hz / 1920×1080 @24Hz / 1324×768 @60Hz / 1280×1024 @60Hz / 1280×800 @60Hz / 1280×768 @60Hz / 1280×720 @60Hz / 1152×864 @75Hz / 1024×768 @76Hz / 1024×758 @60Hz
※この条件を満たすモニタでも正常に動作しない場合がございます。事前確認をお勧めいたします。
-
購入後にオプションを追加することはできますか?
-
可能なものとそうでないものがございます。
お手数ですが、こちらよりお問い合わせください。
-
海外で使用することは可能ですか?
-
ご利用いただくことは可能です。
オーディオアナライザに関するFAQ
-
MAS-8400OSCとMAS-8410OSCの違いは何ですか?
-
MAS-8400OSCはオーディオアナライザとAM/FM標準信号発生器が標準装備されています。
MAS-8410OSCはオーディオアナライザのみの搭載となります。
-
2ch同時測定はできますか?
-
同時測定には対応しておりません。切替式2chとなります。
-
スピーカー出力の接続方法を教えてください。
-
アンプに接続する場合は下図のようになります。
-
OSCの平衡出力は可能ですか?
-
平衡出力はできません。
-
カスタムフィルタの追加はできますか?
-
カスタム対応は可能です。こちらよりお気軽にご相談ください。
使用例
交流電源の高調波歪み/直流電源の低周波ノイズ
■交流電源の高調波歪み
![](https://www.keisoku.co.jp/pw/wp-content/uploads/2024/05/AC-25V-1KHz.webp)
交流電源に重畳される高調波歪み。
どの周波数成分が高調波成分として最も影響を与えているか、一目でが分かります。
50Hz の基本波に対し、
・3 次(150Hz)
・5 次(250Hz)
・7 次(350Hz)
・9 次(450Hz)
・11 次(550Hz)
・13 次(650Hz)
などの高調波成分のレベルを表示。
全高調波歪(THD) または全高調波歪+ノイズ(THD+N) の測定ができます。
■直流電源(スイッチング電源)の低周波領域でのノイズ
![](https://www.keisoku.co.jp/pw/wp-content/uploads/2024/05/image_002-3.webp)
直流電源の出力に重畳されているノイズ成分。これまではCPU のクロックに影響を与える、数十メガヘルツのノイズ成分に注目してきました。
最近スマートスピーカーなどのオーディオ製品には、小型でパワフルな高効率のD級アンプが使用されています。そのアンプにパワーを供給するスイッチング電源は、可聴周波数域(20Hz ~ 20KHz)でのノイズをできる限り抑えることが重要です。
低周波領域でのノイズレベルの違い
スイッチング電源
![](https://www.keisoku.co.jp/pw/wp-content/uploads/2024/05/image_003-2.webp)
スイッチング周波数以下でも様々なノイズが発生します。15kHz ~ 20kHz のノイズは「パチパチ」という音がします。100Hz 付近のノイズは「ブーン」という音がします。
シリーズ電源
![](https://www.keisoku.co.jp/pw/wp-content/uploads/2024/05/image_004-1.webp)
ひずみ率計MAS-8410 は、オシロスコープとは異なり波形を周波数毎に分けてレベルの大きさを直接見る事が出来ますので、ノイズ対策がし易くなります。
スイッチング電源の低周波領域のノイズを5個のFFTで高速解析
![](https://www.keisoku.co.jp/pw/wp-content/uploads/2024/05/image_005.webp)
![](https://www.keisoku.co.jp/pw/wp-content/uploads/2024/05/image_006.webp)
①横軸(周波数)の表示範囲を6つのレンジから選択できます。
②縦軸(レベル)の表示範囲を14のレンジから選択できます。
③レベルの単位はV、dBm、dBV から選択できます。
④グラフのピーク値を検出できます。
スイッチング電源の音声帯域のノイズを、聴感フィルターを掛けて覗く
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![](https://www.keisoku.co.jp/pw/wp-content/uploads/2024/05/image_008.webp)
交流電源やインバータのひずみ率の測定について
ひずみというと高調波抑制対策ガイドラインなどに示される、電気を使用する機器の発生する高調波電流による電流や電圧の波形のひずみの事を思い浮かべられる方も多いと思います。今回は電源を供給する側の交流電源装置やインバータ、コンバータ機器が自ら発生する高調波電圧のひずみ測定について説明致します。
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電源装置には交流電源装置と直流電源装置が有りますが、いずれの装置にも整流回路やインバータ回路、コンバータ回路などが含まれております。それらの回路では交流を直流に変換したり、直流を交流に変換したりする際に、電流や電圧の方向を急峻に変化させます。この急峻な電流や電圧の変化に依って高調波電圧やノイズ電圧が多く発生します。この高調波電圧やノイズ電圧は、電源の供給を受ける機器へ電力と共に供給され、電波障害、トランスやコンデンサーなどの高温化損傷、位相の変化による回転制御系への影響など広い範囲に渡って様々な障害を引き起こす原因となります。
その為、交流電源やインバータ、コンバータ装置に於いては、出力する基本波に対して、高調波電圧やノイズ電圧がどの程度含まれているかを示すスペック、「ひずみ率」が有ります。
高調波電圧は、基本波の整数倍の周波数成分で、例えば、基本波の周波数が50Hzの場合、高調波成分は、100Hz,150Hz、200Hz・・・50×N Hz となります。ノイズ電圧は高調波電圧以外の周波数成分の電圧になります。
ひずみ率は、これらの高調波電圧の合計とノイズ電圧の合計と基本波との比に依って求められます。
具体的には、ひずみ率を算出する方法としては 以下の3つが有ります。
【1】 従来のメータ式測定器に多く見られるひずみ率の算出方式で、基本波に対して高調波成分の少ない場合に簡易的に用いられます。
![](https://www.keisoku.co.jp/pw/wp-content/uploads/2024/05/8410_document_1.webp)
【2】 全高調波ひずみ率(真のひずみ率)=THD (total harmonic distortionまたはdistortion factor)と言われ、純粋に基本波の高調波成分のみに対してひずみ率を算出します。
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※V2:第2次高調波電圧の実効値、V3:第3次高調波電圧の実効値以下
同様に、Vn:第n次高調波電圧の実効値
【3】 全高調波ひずみ+ノイズ(total harmonic distortion plus noise、THD+N)
N は直流を除いた全てのノイズ成分の実効値。全高調波ひずみに加え電源の出力波形に重畳されているハムやノイズ成分合計をひずみ率として算出します。
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この様にひずみ率の測定には3通りの方法が有りますが、電力を受ける機器にとっては、高調波ひずみ以外の電源ハムのノイズやインバータのスイチィングノイズなどからも区別なく悪影響を受けることになりますので、電源機器やインバータ装置に於いては一般的に、【3】の「高調波ひずみ+ノイズ」のひずみ率を用いて測定します。
さて、電源の出力電圧に重畳されるノイズ成分には高調波成分の周波数帯域を遥かに超えた帯域の成分まで、含まれるのが一般的です。従って機器に悪影響を与えるノイズ電圧を正確にひずみ率に反映させるためには、広帯域の測定器が必要です。
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・入力はフローティングにして、差動(平衡モードにて測定。
・入力インピーダンスは200KΩ。(差動の場合)
・測定周波数は110Khzまで(実質測定帯域は500kHz)。
・LPF(20KHz,80KHz),HPF(100Hz,200Hz,400Hz)の中から任意設定可能。
・入力電圧は100Vrms。それ以上の電圧は抵抗分圧して入力。
・測定内容はACレベル、ひずみ、周波数、S/N
・ひずみはTHD(全高調波ひずみ)とTHD+N(ノイズ成分)の両方を切り替えて測定可能。
・ひずみの測定範囲は0.01%~30%
・パソコンを使用する場合はひずみ成分をスペクトラム波形で確認可能。
・本体単体、またはPCで使用可能。アプリケーソンソフトは無償で付属。
特長
1) 入力は差動入力となっており、測定環境の影響を受けにくくなっております。
2) 測定周波数は10HZ~110KHZと広帯域になっています。
3) 入力インピーダンスは100KΩです。
4) ひずみ率は0.01%から測定可能です。
5) ハイパスフィルター(100Hz,200Hz,400Hz)
6) ローパスフィルタ(20kHz,80kHz)
7) THDとTHD+Nの測定が切替で測定可能
周波数スペクトル(リニアスペクトル)とパワースペクトル、エネルギースペクトルについて
リニアスペクトル | パワースペクトル | |
縦軸の実数表記 | リニア | 対数表記 |
ピークごとの振幅の違い(2倍以下)を見つけ易い。 | 広い範囲の信号を一目で見れる | |
比を直感的に読み取り易い。 | 周波数との依存関係(周波数の二乗に反比例など)を把握し易い。 |
※パワースペクトル:リニアスペクトルのときの値の2乗平均値
単位は [V^2] かデシベルを使って、 [dBV]
【パワースペクトル密度(PSD)】
FFTで求めた振幅値(単位:V・s)を2乗してFFTの時間窓長Tで割る。
単位は、V^2/Hz単位周波数(1Hz)当たりのパワー値。
アンプなどの入力換算ノイズ、ランダム信号などのパワー値。
【エネルギースペクトル密度(ESD)】
PSDにTを再度掛ける その単位は V^2・s/Hz
この物理的意味は、ある時間窓長における信号のエネルギー値
その用途:衝撃波形のエネルギースペクトル