標準信号発生器とは?(製品基本ガイド)

標準信号発生器とは、ラジオやトランシーバなどの受信機を評価する際に放送局に代わって搬送波信号を発生する為の計測器です。
アナログ放送において最も多く使用されているAM/FMの変調機能と音声の代わりになる低周波発振器を搭載しており1台で多くの受信機の評価を行うことが出来ます。
MAS-8400シリーズでは、単体機としてのMAS-8421Aのほかに、オーディオアナライザに標準信号発生器機能を内蔵したMAS-8401があります。

AM変調とは?

こちらをクリックしてご覧ください

AMとはAmplitude Modulation の略で日本語では振幅変調と言います。
搬送波の振幅を変化させて信号を伝搬する変調方式です。

AM変調とは

FM変調とは?

こちらをクリックしてご覧ください

FMとはFrequency Modulation の略で日本語では周波数変調と言います。
搬送波の周波数を変化させて信号を伝搬する変調方式です。

FM変調とは

FM多重信号とは?

こちらをクリックしてご覧ください

  • 1つのFM搬送波(電波)で送信できる信号は基本的に1種類になっています。
  • 多重信号とは、一つのFM搬送波で複数の情報を伝搬できるように複数の情報を予め一つの信号にまとめた信号のことです。
  • 多重信号は基本的に複数の信号を周波数帯域を分けて加算している信号になります。

信号の多重原理

実際の多重信号は?

  • 実際の多重信号は複数の情報の周波数帯域が重ならないように副搬送波(サブキャリア)を使用し異なる周波数に変換してから加算します。
  • 例えば、音声のLとRは完全に周波数帯域が一致している為、単純に加算してしまうとフィルタでの分離は不可能になってしまいます。

モノラルとFM多重信号の周波数帯域

弊社製品では、MSG-2174MSG-2175でFM多重信号の出力が可能になります。
VICS(交通情報信号)信号をお取り扱う際はFM多重での検証が必要になるはずです。当社機材のご活用の検討もお願いできましたら幸いでございます。

電気単位について

RADIO/Broadcastってそもそもナニ?(用語解説)

こちらをクリックしてご覧ください

【用語】【用語説明】
AMAmplitude Modulation の略。
日本語では振幅変調、搬送波の振幅を変化させて信号を伝搬する変調方式
変調度の単位は%
FMFrequency Modulation の略。
日本語では周波数変調、搬送波の周波数を変化させて信号を伝搬する変調方式
変調度の単位はHz
DABDigital Audio Broadcastの略
主にヨーロッパで採用されているデジタルラジオの規格
HD Radioアメリカで採用されているデジタル、アナログハイブリッド放送のこと
SCASubsidiary Communications Authorizationの略
アメリカで使用されているFM多重放送のことを指します
DARCData Radio Channelの略
日本で開発されたFM多重放送の方式
VICSVehicle Information and Communication Systemの略
道路交通情報をカーナビゲーションに表示させるシステム全般を指します
DGPSDifferential GPSの略
GPSの精度を上げるために地上固定局で得た誤差情報を用いて測位精度を上げる技術。
現在は廃止されている
RDSRadio Data Systemの略
主にヨーロッパで使用されているFM多重放送を指します
RBDSRadio Broadcast Data Systemの略
アメリカ版RDSのことを指します
SiriusXM北米で採用されている衛星を使用したデジタルラジオ放送のこと
AFAudio Frequencyの略。可聴周波数帯域の信号、又は低周波信号を指します
RFRadio Frequencyの略。ラジオ放送に使用される搬送波周波数帯域の信号、又は高周波信号を指します
LFLow Frequencyの略。30kHz~300kHzの電波を指します。
波長は約1km~10km。日本語では長波となります。
MFMedium Frequencyの略。300kHz~3MHzの電波を指します。
波長は約100m~1km。日本語では中波
HFHigh Frequencyの略。3MHz~30MHzの電波を指します。
波長は約10m~100m。日本語では短波
VHFVery High Frequencyの略。30MHz~300MHzの電波を指します。
波長は約1m~10m。日本語では超短波。
UHFUltra High Frequencyの略。300MHz~3GHzの電波を指します。
波長は約100cm~1m。日本語では極超短波
BSBroadcasting Satellitesの略。日本語では放送衛星となります。
主に放送に使用される衛星のこと。
CSCommunication Satellitesの略。日本語では通信衛星となります。
主に通信に使用される衛星のこと。現在では放送にも使用されている

DARC信号とVICS情報について

こちらをクリックしてご覧ください

DARC信号とは?

  • DARCとはData Radio Channelの略でNHKにより開発されたFM多重方式です。
  • DARCの副搬送波周波数は76kHzです。
  • データレートは16kbpsでMSK変調方式を採用しています。 (MSK:Minimum-Shift Keying)
  • 副搬送波の変調率は音声信号の大小により自動的に可変します。
  • その為、DARC信号の変調方式はレベルコントロールを表すLを加えて、LMSK変調と呼ばれます。

DARC信号の用途と進化

  • DARC方式は、放送開始直後は、FM多重文字放送(見えるラジオ)とVICSの提供する交通情報で利用されていました。
  • しかし、見えるラジオはあまり普及しなかった為現在ではVICSのみで使用されています

VICSとは?

  • VICS放送とは、道路交通情報通信システムセンター(VICS センター)が、カーナビゲーション・システム向けに道路交通情報を配信する有料サービスです。
  • VICS放送はスクランブル化されている為、VICS対応受信器でなければ受信できません。
  • そのため、カーナビゲーションシステムには必ずVICSが提供するデスクランブラチップが搭載されています。

まとめ

  • DARC信号はVICS(交通情報)を提供する為の元の信号です。
  • VICS情報は現在のカーナビゲーションでは地図上に見える化されて活かされています。
  • 弊社ではVICS情報を検証する為の、製品のご提供をしております。⇒ MSG-2174 MSG-2175 お時間ありましたら製品ページもご覧下さい。

集中信号システムとは?

こちらをクリックしてご覧ください

システム概要

車載ラジオやナビゲーションシステムの生産・検査・修理工程で使用する信号を一箇所に集中発生させる装置です。
発生する信号は、ケーブルと分配器を使って各作業者卓に分配されます。作業者は、工程で必要な信号を手もとの減衰器で適当なレベル調整して使います。

システムメリット

  • 各調整卓間の測定器自体のバラツキがなくなり、つねに同一の信号源を使って作業を進められます。
  • 製品の均一化がはかれ、品質管理向上にきわめて有利です。
  • 測定器の品質、保守管理が容易になります。
  • 本体(信号源)を設置すれば、増設も端末機器の補充だけで対応可能です。
  • コスト面でも経済的で計測設備の合理化がすすめられます。

使用事例

下の写真は旧製品でのシステム事例となりますが、こちらを今の製品に組み替えてお客様のニーズにマッチした集中信号システムを構築する事は可能です。

製品紹介

当社では、分配器・減衰機・アッテネータ等、必要な製品を自社開発で準備する事が可能です。

ご購入・ご検討につきまして

集中信号システムでは、設置環境や本体から端末までの距離等、設置についての詳細な事前調査が必要になります。
もしご興味がありましたら、弊社の過去の事例等も交えご紹介させていただきますので、お気軽にご相談下さい。

RDSとは?

RDS(Radio Data System)は、ユーザに直接伝えるためのデータ(例えば選局中の放送局やその放送局で再生中の曲名をラジオに表示させる等)と、ラジオを自動的に動作させ、間接的にユーザに情報を伝えるデータ(例えば交通情報放送中の局を自動選局、受信感度をチェックし最良の選局を行う等)を伝送するシステムです。
RDS は、デジタル変調方式の 1 つである DBPSK 変調方式を採用しています。この方式の開発はスウェーデンが中心で行われ、ヨーロッパ放送連盟(EBU)で、約 20 年
前に始まりました。今現在ヨーロッパの各地で広く普及しており、北米でもその後、RBDS として RDS を多少モディファイした形で送信されています。

製品FAQ(技術サポート)