スキャナー(内蔵/外部)
実際の安全試験において、複数ポイントの安全試験が必要になる被測定物が多く存在します。従来の安全試験器では複数の試験ポイントを別々に試験するなどの手順が必要であり、必要以上に試験時間がかかっていました。当社の安全試験器にはスキャナを内蔵出来るタイプ及び外部にスキャナを接続出来るタイプを用意しており、複数ポイントの試験を自動的に行うことが可能です。
   アーク検出機能
全ての安全試験規格では、試験中に絶縁破壊が生じないことを確認するために耐電圧試験を義務付けています。これは被試験物に許容されたリーク電流を超えないことを確認するものです。欧米の有数の企業(例えばIBM, HP社など)では、より良い製品品質を目指しており、耐電圧試験の最中にアーク放電を許さず、アーク放電が発見された場合には不合格の判定としています。当社の安全試験器はアーク検出機能を持っており、このような厳しい要求にも対応することができます。
   スマートGFI(Ground Fault Interrupt)機能
近年では電子機器により高い安全性が求められており、工場から出荷される前に何らかの安全試験に合格しなければなりません。最も一般的な安全試験は耐電圧試験で、試験電圧は5kVなどの高圧となります。工場の繁忙期には作業者の不注意などにより作業者が高電圧に触れることも考えられます。そのような場合、作業者に重大なダメージを与え、場合によっては生命に関わる危険もあります。当社の安全試験器はこのような危険から作業者を保護するため、スマートGFIという機能を持っています。試験中に被試験物のアースからグラウンドに対して余分な電流が450μA以上流れるとスマートGFI回路がこれを検出し、作業者の安全確保のために速やかに高圧を遮断します。
   チャージロウ(Charge Low) 機能
直流電圧にて耐圧試験をする場合、絶縁物が正常であればリーク電流の値は極めて小さなものになります。従って、リーク電流の下限値や絶縁抵抗値の上限値を設定することは極めて困難となります。このことは、安全試験器が正常に被試験物に接続されているか確認することを難しくしています。この一方、直流試験では電圧の印加時に被試験物の浮遊容量により瞬間的に大きな充電電流が流れます。このような場合、チャージロウ機能が有効な解決方法となります。チャージロウ回路は高速充電電流パルスを検出することが可能であり、このパルスが検出されないときは安全試験器と被試験物の接続が不完全であると判断し、試験を不合格と判定します。これにより作業者は安心して直流耐圧試験または絶縁抵抗試験を行うことができます。
   ランプハイ(Ramp-High)機能
直流耐圧試験または絶縁抵抗試験時は、被試験物の有する容量成分のために大きな充電電流が流れ、検査規格の上限値を超える場合が有ります。この充電電流によって正しい判断ができず試験が実施できないことがあります。ランプハイ機能では、検査規格の上限値を充電電流の期間に限定して高く設定することにより正規の判定が出来るようにすることができます。この機能により、試験電圧の立ち上がり時間を遅くする必要がなく、全体の効率アップに貢献します。
   校正アラート機能
事前に校正時期を設定しておくことにより、校正時期が近付くとアラート(警告)を発生しますので校正されないまま使用されることを未然に防ぐことが可能です。
   自己診断機能
安全試験器は各安全規格に対して被測定物が安全要求を満たしているかどうか試験しますが、安全試験器自体が正しく動作していることを試験前に確認することが必要です。自己診断機能は安全試験器が通電されるたびに毎回動作しますのでスピーディーに本来の試験を開始することができます。
   メモリ機能
当社の安全試験器は多くの機種にメモリ機能を搭載しています。このメモリ機能により各種設定状態を記憶できますので手作業で設定する手間を省くことができます。また、機種によってはメモリにプログラムを記録することができますので外部にコンピュータが無くても自動試験が可能です。
   プリンタインターフェース
安全試験の結果などをセントロニクスインターフェース準拠のプリンタに印刷するときに使用します。
   キーロック機能
安全試験は高電圧を発生するものであり、操作を誤ると大変危険です。そこで、必要なとき以外の操作を禁止するために操作キーをロックすることができます。
   リニア方式およびPWM 方式を採用
当社の回路方式は入力電圧変動の影響が大きいスライドトランス方式とは違う安定した出力を確保出来る、リニア方式およびPWM方式を採用しております。PWM方式は軽量化にも適しております。
   ランプアップ/ ランプダウン機能
ランプアップ機能はライズタイムコントロールとも呼ばれるもので、AC 耐電圧試験の際、試験開始後すぐに高電圧をかけず徐々に設定された試験電圧まで上昇させる機能です。上昇するさせる時間(ランプアップ時間)と試験電圧を維持する時間(試験時間)を設定することができます。ランプダウン機能はその逆に徐々に電圧を低下させる機能です。

   安定した高電圧出力
当社の安全試験器は内部で発生したサイン波を増幅しているため、供給電源電圧変動の影響を受けず常に安定した出力を維持します。供給電源が不安定になったり波形がひずんだりしても右図のような綺麗なサイン波を出力します。このため、リーケージカレントの測定も安定しており、電圧歪みによる誤判定が発生しません。

   GP-IB / RS-232Cインターフェース
パーソナルコンピュータからリモートコントロールするときに使用します。RS-232Cはパソコン本体に標準装備されているものがありますが、GP-IBは装備されておりません。この場合、USBからGP-IBに変換するコンバータ(NI社製など)を使うと便利です。
   PLC リモートインターフェース
プログラマブルコントローラ(シーケンサ)などと通信し自動化するためのインターフェース機能です。試験のスタート、ストップ等(入力)や試験結果のPASS / FAIL 等(出力)が可能です。