ずは以下4つが回生型電源(双方向)の選定ポイントです
- 入出力タイプは?→双方向(電源と電子負荷)なのか?
- 入出力仕様は?→電圧と電力と電流はどれくらい?
- 回生型電源の運用は?(回生型電源運用とコスト)
- オプションは?
選定ポイント①回生型電源(双方向)の入出力タイプは?
回生型電源(双方向)には以下の入出力タイプがあります。
- 直流入出力タイプ(双方向:直流電源動作と直流電子負荷動作+系統への電力回生)
バッテリー(蓄電池)に使用するには?(テスますくんの知って得するポイント!)
バッテリー(蓄電池)の試験には充電・放電が必要です。よって直流電源と直流電子負荷機能が必要となりますが回生型電源(双方向)は一体型として最適です。蓄電池の充電時には直流電源のCC(定電流)充電等で動作し、放電時には電子負荷として電流を掃引きしかつ系統へ最大約90%電力を回生します。
選定ポイント②回生型電源(双方向)の入力/出力仕様は?
(1)直流入力電圧
1)低電圧大電流:DC 350V系
2)中電圧中電流:DC 750V系
3)高電圧小電流:DC 1,500V系
(2)電力容量
単体の複数並列運転により最大250kWまで容量拡張可能です。
選定ポイント③回生型電源(双方向)の運用は?
(1)試験ループ自己消費型(地産地消型)
一番理想なのが、自然とループで廻っていくパターンです。損失分だけ系統から引く運用で負荷先確保や運用の心配が要らなくなります。
以下1)から3)として系統(コンバータの入力)に電力回生するので、以下の例だと約22%分だけ新たに系統から電力を自然と引くことになります。よって回生した電力の負荷先を担保する必要がないので非常に運用がスムーズです。
1)コンバータ(AC/DC)
2)被試験物(DC/AC)
3)回生型電子負荷(片方向:電子負荷)(AC/AC)
(2)系統への電力回生型(直上配電盤内への電力回生)
・試験ループとは別系統への電力回生をする場合は、回生型電源の回生電力最大電力(定格の約90%分 50kW定格なら45kW)の定常的な消費負荷が必要となります。
・定常的な実負荷消費が困難な場合は、ドロッパー型電子負荷等(入力エネルギーを熱に変える)を入れられる場合があります。
・設備管理上として直上配電盤から他配電盤フィーダー含め系統へ逆潮流しないようにRPR(逆電力継電器)を設置し、逆潮流検出した場合に系統との解列及び電源停止を行う
※当社回生型電源にはPCSと同様な系統監視機能が付いております。系統回生をする場合は別途電力会社へ申請しなければならない場合等がございます。
(3)逆電力(逆潮流)の防止について
設備上観点から受電点への上位への逆電力(逆潮)を防止するには常に発電機(Pg)>負荷(Pl)となることが前提とはなりますが、受電点の前に市販されている逆電力防止継電器(RPR)をつけることにより100%防止が出来ます。(系統解列や電源停止となります)
以下に例としてご参照下さい。
選定ポイント④回生型電源(双方向)のコスト(イニシャル・ランニング)は?
抵抗負荷やドロッパー型電子負荷のように入力エネルギーを熱に変換せず、系統へ約90%電力回生をするのが回生型電源となりますが、ご使用電力料金以上にコストメリットがあるのは空調の電気代を節約出来る点があります。ここでは抵抗負荷と回生型電子負荷を例としてコスト比較をしてみました。
ここでは回生型電子負荷のデータとなりますので、 回生型電源として考えると力行時には電源として電力を消費し回生時には電子負荷として系統へ電力回生しますので、力行、回生のそれぞれの試験時間の割合や試験時電力量などから類推したコスト目安としてお考え頂ければと思います。
選定ポイント⑤回生型電源(双方向)のオプションは?
- 系統側三相3線200V化オプション
系統三相3線400Vを三相3線200Vへ変更 - 系統側電力測定オプション
系統への回生電力を測定するオプションです
他にも様々なオプションがございますので、詳細は各シリーズの仕様をご参照下さい。
回生型電源(双方向)の当社歴史と実績は?
2009年以来、当社のコア製品であったドロッパー回路方式の電子負荷から発展して、省エネルギーの電力回生型のスイッチング回路方式の電源を開発発売してまいりました。
以下に開発・発売年表をまとめました。
年 | 内容 |
---|---|
2018年 | 回生型電源(双方向)「Ene-phant」50kWモデル |
2013年 | 双方向電源用EMSコントロールソフトウェア「NT-CORE」 |
2012年 | 系統連系規定に準拠した回生型双方向電源「NTシリーズ」 |
2009年 | 150W×2チャンネルDC/DC電力回生器「PR-300D」 |