安全試験器とは
各種電気安全に関わる試験を専用で行う電子計測器です。
安全試験器の主な役割
- 耐電圧試験
被試験物の絶縁耐力があるかどうかを高電圧を掛けて確認する試験です - 絶縁抵抗試験
被試験物の抵抗値を測定し、絶縁不良を検出する試験です - アース導通試験
3線入力電源コードのアースと製品シャーシが確実に接続されているか確認する試験です - その他の安全規格試験
耐電圧・絶縁抵抗試験って?(テスますくんの知って得するポイント!)
電子機器の仕様書の中の一般仕様に必ず以下が記載されていることを目にされることが多いかと思いますが、それを測るものが安全試験器です。しっかりと絶縁を取れているかを安全上観点から確認するものです。
【例】
耐電圧 | AC2,000V 1分間(入力-FG間、入力-出力間) |
絶縁抵抗 | 100MΩ以上(DC 500V) |
漏洩電流 | 0.5mA以下 |
耐電圧と絶縁抵抗試験の違いって?(テスますくんの知って得するポイント!)
耐電圧と絶縁抵抗が何故2つあるのか?それは一方だけの試験では絶縁の確認が完全とは言えないからです。よって、それぞれを補完し合う意味でより安全として2つの試験を行います。
①耐電圧試験(例えると定量的なハードテスティング:耐性感)
・絶縁破壊の有無判定するもの
→規程の絶縁耐力がない製品は電路に使用してはいけません。
②絶縁抵抗試験(例えるとちょっと定性的なソフトテスティング:質感)
・絶縁不良を検出するもの
→絶縁抵抗は高ければ高いほどいいのですが、必ずしも高絶縁抵抗=高耐電圧にはなりません。
ご用途と順番の目安は?(テスますくんの知って得するポイント!)
各社で順番方法の違いはありますので、あくまで多く見られる例の目安としてお考え下さい。
製品評価では
①絶縁抵抗試験→耐電圧試験→絶縁抵抗試験
②絶縁抵抗試験→耐電圧試験
生産出荷検査では
①耐電圧試験
安全試験器の動作原理と回路方式
- スライダック方式
- リニア回路方式
- スイッチング回路方式(PWM)
【例】
商用トランス+AC/DC、DC/AC(DC/DC)となっており、IGBT等をスイッチング(PWM)動作して高電圧電源のふるまいをして測定をします。
安全試験器の中身は?(テスますくんの知って得するポイント!)
安全試験器の中身は非連続運転を前提とした高電圧電源とお考え頂ければと存じます。以前はスライダック方式やリニア回路方式が多く見られましたが、昨今では安定性や制御性、大きさ、重量等からスイッチング回路方式が多くなっています。高電圧電源との違いは連続運転か非連続運転かとなります。
当社の安全試験器はスイッチング回路方式です。
安全試験器の種類
- 試験項目
(1)耐電圧
(2)絶縁抵抗
(3)アース導通
(4)アナライザ/リーケージカレントテスタ - 試験機能
(1)耐電圧or絶縁抵抗orアース導通専用
(2)耐電圧/絶縁抵抗/アース導通の複数以上組合せ
(3)アナライザorリーケージカレントテスタ専用
種類のトレンドは?(テスますくんの知って得するポイント!)
以前は単試験機能の専用器が多く見られましたが、最近では多能工方式で複数試験が可能な安全試験器が多くなっています。開発評価には多能工で、検査では単試験機能の専用器で使われることが多いようです。
安全試験器の出力種別
- 耐電圧
(1)交流出力(耐電圧)
(2)直流出力(耐電圧)
(3)交流/直流両用出力(耐電圧) - 絶縁抵抗
●GΩ/DC ●kV - アース導通
AC ●A/●V
安全試験器の機能構成
交流電源は以下主に7つの機能により構成されています。
- 印加電圧動作/高電圧電源動作
- 測定
- 設定
- 表示・操作・アラーム
- 通信(リモート制御)
- その他・オプション