【やさしい技術解説】超低電圧-超大電流 直流電子負荷装置 LoadEdgeシリーズ
前回は一般用途向けの直流電子負荷装置 Load Stationシリーズをご紹介しましたが、今回は高速、低電圧、大電流が求められる電源や電源デバイスの研究開発に最適な電子負荷装置Load Edgeシリーズをご紹介します。
最大定格電圧 | 最大定格電流 | 最大定格電力 | |
ELL-355 | 30V | 135A | 350W |
ELL-1005 | 30V | 405A | 1000W |
最大電流スルーレート | 最小内部抵抗 | 内部インダクタンス | |
ELL-355 | 50A/μs | 3.0mΩ | 80nH |
ELL-1005 | 50A/μs | 1.5mΩ | 80nH |
高速、低電圧、大電流、低ノイズ
・今まで出来なかった事が出来る高速性能
急峻なCPUやFPGAの電流変動に追随して電流を供給できる電源の設計評価はもちろん
パルス電流に因る電流センサーやヒューズなどの評価や、車載ケーブルやハーネスの
評価検査など、これまでやりたくても出来なかった事が出来ます。
・低電圧で大電流、0.3Vで200A!
小型大電流化の一途を辿るPOL(point of load)と呼ばれるDC-DCコンバータや
超大容量の電気二重層コンデンサの放電試験などの低電圧で大電流を引くことが要求
される用途など、従来の電子負荷では全く不可能で有った領域まで対応可能です。
・超低ノイズ
Load Edgeシリーズはこれほどの低電圧-大電流性能をバイアス電源無しで実現しています。
従来品の0V対応電子負荷はバイアス電源を搭載しているためどうしても、ノイズが大きく
なりがちです。Load Edgeシリーズをお使い頂ければノイズから開放されます。
・300KHzまで3dB以内の周波数特性(ELL-355:外部制御時)
実負荷に近い負荷パターンシミュレーションが要求されるような用途でもLoad Edge
シリーズならその高い応答性能によりお応え出来ます。外部制御により任意の負荷
パターンを実現出来ます。
これらの性能は弊社特許技術と基板の設計にまで徹底的にこだわった設計に因ります。
豊富な機能
・豊富な動作モード
定電流、定抵抗、定電圧、定電力、外部制御、ダイナミック、シーケンス、ショートと
多彩な負荷動作モードを持ち、様々なアプリケーションに対応します。
・並列運転(ブースター機能)により容易に容量拡張可能です
最大5台まで接続しマスター機より、一括制御可能になります。
・ダイナミック動作も充実
フロントパネルから直接16ステップを設定して利用可能なのに加え、PCを使えば最大1024ステップまで
の負荷パターンが設定可能です。
・GP-IB、USBインターフェースを標準装備
USB用ライブラリが標準添付されます。Excelからマクロを使って直接制御出来ます。
・電流モニタ、TRIG OUTを標準装備
ユニークな機能を装備
・ピーク電力動作
時間制限内であれば、定格を超えた負荷を引くことが出来ます。
例えば、ELL-355は2秒間であれば600Wの負荷として使用できます。
僅かに定格が足らないために、1ランク容量の大きな電子負荷を買う必要は有りません。
・リップルノイズ測定 (工場出荷オプション)
スイッチング・リップル及びノイズ測定モジュールを内蔵する事が出来ます。
このモジュールを使えばJEITA(社団法人 電子情報技術産業協会)の規格に準拠した測定が可能になります。
1台で負荷と測定を賄うことが出来ますので、電源テストベンチ用途に最適な1台です。