【やさしい技術解説】CO2削減の切り札に – ハイブリッド型電子負荷装置 ELHシリーズ
電子負荷装置とは極論してしまえば半導体で電気エネルギーを熱に変換する装置です。例えば電子負荷装置を使って100Wの負荷を引くという事は、100Wのエネルギーをただ熱にして空気中に放出していると言う事に他なりません。実にもったいない話です。
電気エネルギーをただ熱にして空気中に放出すると言うのは、空気を暖めるために電気を浪費している様な物ですし、CO2削減、エコが叫ばれる今日、これは単なる電気代の問題では有りません。
実は既にこの問題に取り組んでいる負荷装置が有ります。いわゆる回生型電子負荷装置です。この装置は一般に負荷エネルギーを再び入力側に戻す事(回生)により無駄な電力消費を抑えます。
しかし残念な事に従来型の回生型電子負荷装置には以下の様な大きな欠点が有ります。この欠点のため従来型の回生負荷装置は特定の用途でしか使えないと言う問題が有ります。
■従来型回生型電子負荷装置の欠点
・一般の電子負荷装置に比べ著しく応答速度が遅い
・負荷電流が脈動する(電流リップルが大きい)
・数KW以上の大容量の物が主流で価格が高い
2008年4月、当社ではこれらの欠点を解消しながら電力消費を抑えたハイブリッド型電子負荷装置、ELHシリーズを発表致しました。
ハイブリッドとは、通常の電子負荷装置と回生型電子負荷装置を組み合わせ、良い所取をした電子負荷装置です。回生が出来、消費電力を抑えられるのに通常の電子負荷と変わらない性能と使い勝手を実現しました。
下の図の通り、従来型の回生型電子負荷装置と比較し非常に早い応答とリップルの無い電流波形を実現しています。またELHシリーズは容量は1KW~、価格も通常型電子負荷装置に近い設定(予定)となっていますので、通常の電子負荷と同じ感覚で御利用頂けます。
今お使いの電子負荷装置をそのままELHシリーズに置き換えるだけで、今まで通りの使い勝手とパフォーマンスを維持したまま、電力消費を抑える事が出来ます。
電気料金の削減と言ったレベルに留まらず、今後はCO2排出量に伴う課税や、排出権の購入無しには業務の継続が難しくなるビジネス環境の到来が予想されています。
当社はこの様な変化へ対応し、お客様の業務継続に必要な手段としてELHシリーズを御提供致します。