【やさしい技術解説】電子負荷の応用 – その2 電池の充電特性シミュレーターとして使用する
2次電池を使用する上で実は極めて重要なのが充電装置になります。充電出来なければ2次電池は全く利用出来ない訳ですから当たり前ですがその開発はかなりナーバスなものになるのではないでしょうか?
なにしろ本物の電池を使ってデバッグするのはリスクが大き過ぎます。過充電などすれば最悪発火などの危険性もあるでしょう、また充放電を繰り返せば特性が変化してくるため、同じ条件でデバッグを繰り返す事が難しいと言う側面も有るかと思います。大変な苦労がある事が容易に想像されます。
今回はその様な充電装置の開発時に、電子負荷装置を使用して安全なデバッグ環境を構築する方法についてご紹介します。
電子負荷装置は静的な設定で利用する物であると言うように思われているかもしれませんが、弊社の電子負荷装置は、内蔵のシーケンス負荷パターン機能を使用したり、PCからリモートで連続的に設定を変化させるなどする事で動的な負荷としても御利用頂けます。
また弊社の電子負荷装置は応答速度が速く、内部インピーダンスも低いため動的負荷変化時にも抵抗に極めて近い非常に素直な特性をもっており、実負荷の再現に非常に適しています。
充電特性を再現するのは比較的簡単です。本物の電池の充電特性さえあれば、この特性値(負荷)を何らかの方法で時系列で次々と負荷に設定出来れば、2次電池の充電特性そっくりな特性を再現出来ると言うわけです。言わばバッテリーシミュレーターとして電子負荷装置を御利用頂けます。
当社の電子負荷装置はUSB I/Fを介してPCに簡単に接続する事ができます。加えて例えばMicrosoft社のExcelなどから簡単に制御するためのライブラリも標準添付されていますので、僅かな手間で特性負荷パターンを再現するプログラムを作る事が出来ます。
下の図の様に本物の2次電池の充電特性グラフから読み取れる時系列の特性を、電流または抵抗換算値でExcel上に並べこれをUSBで接続した電子負荷装置に送り込む事が出来ます。若干のプログラムは必要になりますが非常に簡単なものです。
また弊社ではサンプルプログラムについても無償にて御提供していますのでお問い合わせください。
当社のELx5シリーズ電子負荷装置はUSB I/Fを標準装備し、追加コスト無しにこの様な実験を簡単に行う事が出来ます。
必要なのは、PCとオフィスソフトとELx5シリーズ電子負荷装置だけ。低コストで明日からでも充電装置の開発環境が整えられます。