ボーレートって、そもそもナニ?
シリアル通信のボーレートについて誰にでもわかりやすく解説
はじめに
今回は、RS-232Cなどのシリアル通信で使われている「ボーレート」がテーマです。ボーレート(baud rate)は、この単語を見ただけでは意味が全くわかりませんね。それもそのはずで、baudという単語には特に意味は無く、周波数を表すヘルツと同様に「人名が語源」となっているのです。フランス人の電信技術者ボドー(Baudot)さんの最初の4文字から命名されたそうです。
肝心のボーレートの意味ですが、シリアル通信において「単位時間に搬送波に変調される回数」と定義されています。つまり、1秒間に変調される回数が1回のときに「1ボー」と定義されています。
変調とは
身近なものでは、ラジオ放送の電波(搬送波)には音声や音楽などのオーディオ信号が乗っており、このことを「オーディオ信号で搬送波を変調する」と言います。
放送 | 変調の方式 | 備考 |
AMラジオ放送 | 振幅変調 Amplitude Moduration | オーディオ信号の強さで搬送波の振幅を変える |
FMラジオ放送 | 周波数変調 Frequency Moduration | オーディオ信号の強さで搬送波の周波数を変える |
※ちなみに、ラジオなどでこれらの搬送波を受信してオーディオ信号を取り出すことを「復調」と言います。
シリアル通信とは
シリアル通信とは、文字通り0と1のデジタルデータをシリアル(直列)に1ビット単位で伝送する方式です。例えば、1秒間に9600ビットのデータをシリアル伝送するとき、9600ボーと表現します。
データ転送レートを表す単位として bps (bit per second) も使われていますが、bpsとボーは似て非なるものであり同義ではありません。シリアル通信の黎明期には bps = ボーだったのですが、最近では1回の変調で複数のビットをコード化するのが一般的となっており、変調回数と転送レートが一致しないからです。
主なシリアル通信
名称 | 概要 |
モールス信号 | 短点と長点の組み合わせのみで符号が構成されるシンプルな通信方式であり、アマチュア無線の通信で使われている。最近ではAndroidスマホの日本語入力Gboardにモールス入力モードがある。 |
RS-232C | PCのシリアルポートとして広く普及したが、現在ではUSBに置き換わっている |
USB | PCの標準インターフェースとして広く普及し、キーボード、マウス、プリンタなど様々なデバイスと接続可能 |
イーサネット | LANの通信規格で、家庭やオフィスのネットワーク構築で広く普及している。 |
関連情報
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