シリーズレギュレータって、そもそもナニ? 

シリーズレギュレータについて誰にでもわかりやすく解説

シリーズレギュレータの語源                                

一般的にシリーズという単語は「複数のものを繋げる」という意味を持っており、ドラマや製品などを「シリーズ化する」というように使われていますね。これに対してレギュレータは「安定化する」という意味を持っており、安定化するものは多くの場合「電圧」となります。

次に、繋げるのは何か?というと、結論から言えば下図ように「安定化していない電源から制御素子を通して負荷に接続する」ということになります。

 シリーズレギュレータは、使われる場所等によって次のように呼ばれることがあります。

名称備考
ドロッパー式直流電源内部回路はシリーズレギュレータ
リニア式直流電源内部回路はシリーズレギュレータ
直流安定化電源シリーズレギュレータでない方式も含まれる一般名称(※)

※シリーズレギュレータでない方式は、スイッチング方式と呼ばれ変換効率が高く小型軽量できることから広く普及しています。

 このように、シリーズレギュレータは直流電源の回路方式の一つを指しています。

シリーズレギュレータの動作

 シリーズレギュレータでは「制御素子」が中心的な役割を果たしており、トランジスタによる安定回路や三端子レギュレータと呼ばれる専用のICが普及しています。この制御素子で電圧の安定化を行う訳ですが、一般的に制御素子の出力電圧よりも数V高い電圧を入力側に供給します。逆に言えば制御素子によって電圧が低下することになりますが、入力電圧が変動しても出力電圧が一定になるように制御素子による降下電圧がコントロールされる訳です。電圧が下がるということが「ドロッパー式」と呼ばれる所以でもあります。言うまでもありませんが、負荷に流れる電流と同等の電流が制御素子にも流れます。仮に負荷に流れる電流が1Aで制御素子による電圧降下が5Vのとき、制御素子で消費される電力は、5V×1A=5W となり、負荷で消費される電力とさほど変わらない電力が制御素子でも消費されることになりますので、効率が良いとは言えません。

 参考までにスイッチングレギュレータの特徴(長所・短所)は以下の通りです。

長所・回路構成がシンプル(部品点数が少ない) ・3端子レギュレータICを使えば設計が簡単 ・低価格 ・低ノイズ
短所・効率が悪い ・降圧しかできない ・スイッチング方式と比較すると、大きくて重い

関連情報

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