絶縁耐電圧試験って、そもそもナニ?
絶縁耐圧試験について誰にでもわかりやすく解説
何のための試験?
絶縁耐圧試験は、ズバリ!「電気製品を使う人が感電しないようにするための試験」であり、安全試験とも呼ばれます。乾電池で動作するような携帯機器は必要ありませんが、AC100Vなどのコンセントから電源が供給される機器では製品の出荷前に必ず試験されています。これは言うまでもなく人命に関わることだからですね。
感電とは
身の回りにある乾電池を触っても感電しないのはご存じの通りですが、ではどのようなときに人間は感電するのでしょうか。こんなことは絶対にしてはいけませんが、コンセントの二つの端子を右手と左手で触ったとしたら間違いなく感電しますし、右手から左手に電流が流れるときに心臓を通過するため命の危険もあります。
では、右手のみ(あるいは左手のみ)で触ったら安全なのでしょうか?答えはNOです。コンセントの片方の端子のみ触ったとしても、人間を通して電流は足の方(アース)に流れるからです。ただ、コンセントの片方の経路はアースに落ちているので、危険なのはアースに落ちていない方を触ったときです。
絶縁耐圧試験の方法
洗濯機などの電気製品を使っているときに感電しないためにはどうなっていれば良いのでしょう?言うまでもありませんが、電気製品の操作パネルなど人が触る部分とAC100Vの経路が接続されていない(絶縁されている)ことが絶対条件です。
絶縁耐圧試験では、人間が触る部分とAC100Vの経路に高い電圧を印加して「電流が流れないこと」を確認します。人間は5mA (0.005A)程度の微小電流でも感電するため、絶縁耐圧試験では1000V以上の高い電圧を印加して微小な電流を検出するようにしています。
安全試験の種類
一般的な安全試験は次のようなものがあり、試験によっては試験方法や判定基準が規格で厳密に規定されている場合があります。
試験項目 | 概要 |
絶縁耐圧試験 | AC耐電圧試験:交流で動作する機器の絶縁耐圧試験 DC耐電圧試験:電気自動車や太陽電池パネルなど高電圧の直流で動作する機器の絶縁耐圧試験 |
絶縁抵抗試験 | 絶縁耐圧試験をするポイントの絶縁抵抗(抵抗値)を測定する |
アース導通試験 | 製品内部のアース経路の接続が確実なことを確認するために、アース経路に大電流を流す試験 |
タッチカレント試験 | 製品動作中に人間が触ったことをシミュレーションする試験。人間にかわるものとして各種規格で規定された模擬回路を使用し、この回路に流れる電流(感電電流)を測定する。 |
関連情報
安全試験器(耐電圧/絶縁抵抗) https://www.keisoku.co.jp/pw/support/oyakudachi/tester/
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