ラジオって、そもそもナニ? 

ラジオについて誰にでもわかりやすく解説

はじめに

最近ではインターネットラジオが普及しており、古くから使われている「ラジオ」を見かける機会は少なくなっているかも知れませんが、インターネットラジオは災害発生時にインターネット回線に障害が発生すると聞くことが難しくなります。これに対して普通のラジオはそのようなこともなく乾電池が有れば聞くことができますので防災用品としても見直されているようです。今回のテーマはその「ラジオ」です。

ラジオの語源

 ラジオは英語のRadio(無線・電波)が語源となっており、無線による放送(ラジオ放送)を聞くことができる受信機の通称「ラジオ」がそのまま正式名称になったものと思われます。本来であれば、受信機(レシーバ)と呼ぶべきなのでしょうが、ラジオという通称が広く普及してしまったのでしょう。

ラジオ放送とは

 身近なものではAM放送やFM放送があり、ちょっとマニアックなものでは短波放送などが世界中で放送されています。ご存じのように、放送するのは音声や音楽などの「音」であり、これを電波に乗せることを「変調」と呼びます。

種別周波数(国内)変調方式備考
AM放送526kHz ~ 1.6MHzAM(振幅変調) 
短波放送3MHz ~ 30MHzAM(振幅変調)この周波数帯はアマチュア無線でも利用
FM放送76MHz ~ 90MHzFM(周波数変調)ワイドFMとして94.9MHzまで拡張

 ご覧のように、周波数はAM放送が最も低く、FM放送は周波数が高くなっています。また、AM放送とFM放送は変調方式がそのまま呼び名になっていますね。それぞれの変調方式は、次のような特徴を持っています。

AM(振幅変調): 音の強さ(振幅)に応じて電波の振幅を変える方式

FM(周波数変調): 音の強さに応じて電波の周波数を変える方式

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 変調する前の元になる電波のことを搬送波と呼び、この搬送波に音の強さ(変化)を乗せることを変調と言います。とするとラジオの役割は「変調された電波から音を取り出すこと」ということが容易に想像できますね。このように音を取り出すことを変調に対して検波(復調)と呼びます。

 ラジオの内部で復調が行われていることはわかりましたが、この復調の方法はAMとFMでは異なり様々な方法がありますので、ここでは割愛させていただき、最もシンプルなAMラジオの基本形についてとりあげてみたいと思います。

超シンプルなラジオ

 理科の実験などで聞いたことがあるかも知れませんが、一番シンプルな方式のラジオは「ゲルマニウムラジオ」と呼ばれるもので、次のような特徴を持っています。

・部品点数が少ない(数点)

・電源(電池)が要らない

・受信感度は悪い

 実際の回路は次のようなもので、いたってシンプルです。アンテナから入って来る電波には様々な周波数が含まれているため、同調回路で聴きたい周波数(放送局)を選択して取り出します。これを検波回路(ゲルマニウムダイオード)で検波するという超シンプルなものですが、電波の強い場所では十分に実用になるもので、電源不要で停電時や電池が無くても使えるということもメリットと言えますね。

まとめ

 テレビ放送はデジタル移行と同時にアナログ放送は終了しましたが、ラジオ放送は災害時にリアルタイムで情報が得られる手段として今後も無くなることは無いと思われます。ふだんから災害発生時の情報取得について考えておくことは重要ですね。

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