差動プローブって、そもそもナニ?

差動プローブDP-100について誰にでもわかりやすく解説

はじめに

差動プローブDP-100は、リップルノイズ測定時に使用するものですが、常に必要なものではありません。スイッチング電源の直流出力にコモンモードノイズが含まれており、これが測定に悪影響を及ぼしているとき、このコモンモードノイズを除去するために使用されます。今回は、この差動プローブDP-100についてとりあげたいと思います。

差動プローブの種類

 差動プローブは大きく分けて、パッシブプローブとアクティブプローブがあり、それぞれ次のような特徴をもっています。

分類特徴備考
パッシブプローブ (受動プローブ)構造がシンプルで低価格 電源不要DP-100はこれです
アクティブプローブ (能動プローブ)入力容量が小さいため高い周波数まで使用可能だが、高い電圧では使用できない FETプローブとも呼ばれ、これを駆動するための電源が必要 

コモンモードノイズとは

 スイッチング電源の直流出力は、プラス端子とマイナス端子の間に直流電圧が出力されるわけですが、これを「ノーマルモード」と言います。これとは別にFG(スイッチング電源のフレーム等)と各端子の間に現れるノイズを「コモンモードノイズ」と言います。

 このコモンモードノイズが測定に悪影響を及ぼすことがあり、コモンモードノイズを除去するための差動プローブとしてDP-100が開発されました。コモンモードノイズについて、詳しくは以下のページをご覧ください。

合わせて読みたい

コモンモードノイズの除去

 差動プローブを使ってコモンモードノイズを除去できるのですが、それでは実際にどのくらい除去できるのでしょうか。これについては、CMRR(Common Mode Rejection Ratio: 同相除去比)として仕様書に明記されており、DP-100の場合、以下のように記載されています。

周波数100MHzのときにCMRR=40dBということは、電圧比にすると1/10000となりますので、仮にコモンモードノイズが1Vあったとすると、除去後の電圧は1/10000V = 0.0001V = 0.1mVとなりますので、ほとんど無視できるレベルまで下がることがわかります。

関連情報

【コモンモードノイズ】簡単に除去する方法 https://www.keisoku.co.jp/pw/u-po/347_probe/

オシロによるリップルノイズ測定 https://www.youtube.com/watch?v=r0CEhmfnOZ4

RM-104によるリップルノイズ測定 https://www.youtube.com/watch?v=4j8t9Nozqbo

電子負荷によるリップルノイズ測定 https://www.youtube.com/watch?v=TL1LCuzMnFA