位相余裕って、そもそもナニ?
DC/DCコンバータの位相余裕について誰にでもわかりやすく解説
はじめに
オーディオアンプが条件によっては発振することは知られています。例えば、イベントなどでアンプを使用しているとき、マイクとスピーカを近づけると「ピー」という不快な音になり「ハウリング」と呼ばれる発振が起こります。この原因はスピーカの音をそのままマイクに入力したためで、これを「正帰還」と言います。
DC/DCコンバータはスイッチング電源の一種であり、アンプではありませんが、こちらも条件によって発振することがあります。今回は、発振しないようにするための「位相余裕度」がテーマです。
合わせて読みたい
位相余裕とは
DC/DCコンバータは出力電圧を安定に保つためにフィードバック(帰還)制御をしており、このときの帰還は負帰還(ネガティブフィードバック)となっていますので、基本的に発振することはありません。理想的な負帰還では入力側と出力側の位相差が180度となっていますが、位相は周波数が高くなると遅れる特性を持っており、この遅れが顕著になると位相差0度になって発振する可能性があります。
このため、DC/DCコンバータの設計者は想定される条件で位相差が0度にならないよう、位相余裕度を考慮して設計するのが普通です。
関連情報
直流電子負荷製品情報 https://www.keisoku.co.jp/pw/product/power/dc-load/