電子負荷のスルーレートって、そもそもナニ?
意外と知らないスルーレートについて誰にでもわかりやすく解説
カーレースの世界では・・
電子負荷のスルーレートについては自動車と比較するとイメージしやすいので比較してみましょう。
自動車 | 電子負荷 |
最大速度 | 最大電流 |
加速度 | スルーレート |
カーレースの世界で「ゼロヨン加速」というレースがありますが、これはスタートしてから400mの地点まで何秒で到達できるかということを競うものです。1950~60年代にアメリカの若者が電柱や信号を目印としてスピードを競ったことが始まりで、たまたまその間隔が400mだったそうです。ゼロヨン加速という名前のとおり、最大速度を競うのではなく「加速度」を競うもので、これが電子負荷のスルーレートによく似ています。
電子負荷の世界では・・
カーレースのゼロヨン加速では400mという距離が基準になっていますが、電子負荷の世界では距離ではなく、1μs(1マイクロ秒)という単位時間が基準となります。つまり「0 ~ 1μsの間に何A(アンペア)の電流を流せるか」ということで、これが電子負荷の重要な性能のひとつ「スルーレート」を表しており、カタログや仕様書には 50A/μs というように記載されます。
スルーレートのマジック?
電子負荷カタログ仕様書の中には、最大電流を流すまでにかかった時間から逆算して単位時間あたりのスルーレートを算出しているものが見受けられますが、このようなケースがあてはまるのは右図のようにカーブが直線の場合のみであり、また、1μsで切ったときの特性と異なる可能性があるため注意が必要です。
例えば、前述のゼロヨンカーレースに例えると「800m地点に20秒で到達したから、ゼロヨンは10秒でした」と言っているようなもので、カーレースの世界では恐らく受け入れてもらえないでしょう。なぜなら車の加速度のカーブは直線ではないからです。
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