自動評価ソフトウエアTPによる自動評価のススメ
自動評価ソフトウエアTPとは
自動評価ソフトウエアTP(※)は、スイッチング電源の様々な特性を自動計測してその評価リポート作成を支援するものですが、実際はスイッチング電源だけでなく様々なデバイスの評価に対応することができます。今回はスイッチング電源以外の自動評価についてご紹介します。
TP:Test Process automationを略したもので、日本語では「評価手順の自動化」と訳されます。
自動評価の効果
様々なデバイスの評価試験を行う場合、温度変動に時間がかかることから場合によっては数時間以上の時間を要することがあります。このようなとき、自動評価に移行することで以下のような効果を期待することができます。
効果 | 備考 | |
1 | 評価時間の短縮 | 自動計測により、様々な計測器の操作や測定にかかる時間を大幅に短縮することができます。 |
2 | 開発期間の短縮 | 評価期間の短縮が寄与するだけでなく、自動評価中に設計など他の業務を並行して行うことができますので製品開発期間の短縮につながります |
3 | 迅速な設計変更 | 使用部品の生産終了などで設計変更が発生したとき、新しい部品での再評価を迅速に行うことができます。 |
4 | 製品品質の安定化 | 自動評価により安定した測定・試験が可能ですので、製品品質の安定化にもつながります。 |
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手作業の方が手っ取り早い?
そのように思われる方がいらっしゃるかも知れません。確かに人間の作業能力は素晴らしくオシロスコープなどの操作も(慣れていれば)驚くほど迅速にこなしますが、ここで少し立ち止まって考えてみてください。
「手作業で評価を行っているとき、他の重要な業務は停止している」
少しオーバーな言い方かも知れませんが、当たらずとも遠からずではないでしょうか?単調な評価試験はソフトウエアに任せ、設計など他の重要な業務に時間を使うことをおススメします。
とは言っても自動計測のプログラムは面倒・・
その通りです。自動計測プログラミングではPCだけでなく外部の各種計測器とデータのやりとり(通信)が必要となりますので、そのプログラミングは簡単ではありません。これに対して自動評価ソフトウエアTPは計測器との通信について意識する必要はなく、純粋に「評価の手順」のみを考えてプログラムすることができますので驚くほど短時間でプログラムを作成することができます。
このように、日本語でわかりやすいプログラムとなっており、このサンプルではわずか18ステップのプログラムですが以下のように12種類の条件で様々なデータを取得することができます。
温度 | AC入力電圧 | 周波数 | 取得データ(全ての条件で同じ) |
0℃ | 100V | 50Hz | 出力の負荷電流を0%から100%までを50分割(2%きざみ)で 変動しながら以下の測定を実施 ・AC入力電圧 ・AC入力電流 ・AC入力電力 ・AC入力力率 ・DC出力電力 ・効率(計算値) |
0℃ | 100V | 60Hz | |
0℃ | 200V | 50Hz | |
0℃ | 200V | 60Hz | |
50℃ | 100V | 50Hz | |
50℃ | 100V | 60Hz | |
50℃ | 200V | 50Hz | |
50℃ | 200V | 60Hz | |
25℃ | 100V | 50Hz | |
25℃ | 100V | 60Hz | |
25℃ | 200V | 50Hz | |
25℃ | 200V | 60Hz |
以上のプログラムは一例であり、様々なデバイスの測定・評価に対応することが可能です。必要な測定器が揃ったらプログラミングにかかる手間は最小限ですぐに自動評価に移行することができます。
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