交流電子負荷の選び方

交流電子負荷とは

交流電子負荷をひとことで言うと・・・

様々な交流電源の性能を試験するために色々な電流を流すことができる装置

様々な交流電源とは
太陽光発電システム(パワーコンディショナ)、風力発電システム、エンジン発電機、各種インバータなど、身の回りには多種多様な交流を発生する電源が存在します。

色々な電流とは・・・
少しずつ徐々に電流を増加させたり、ある一定の電流を継続して流したり、急激に電流を変化させたりと、電子負荷を使えば色々な電流を流して交流電源を試験することができます。

試験対象物

 交流電子負荷の試験対象物としては、主に次のようなものがあります。

試験対象物主な特徴と試験内容
インバータ・UPSCF(波高率)や力率可変による性能試験
家庭用ガス・コージェネシステム家電製品を模擬した負荷変動のシミュレーション
太陽光発電PCS矩形波出力でもリニアCCモードにより安定試験が可能
交流モータ駆動回路交流電源と組み合わせ、過負荷試験などを容易に実施可能
V2Hシステムj交流電源と組み合わせた連続評価試験
ダイオード、トライアック各種整流器の模擬試験

交流電子負荷の主な仕様

 交流電子負荷は、何を試験するか?(=試験対象物)に合わせて最適なものを選ぶ必要があります。試験対象物に合わせた定格電圧、電流、電力などが重要な要素となります。

電子負荷の主な仕様(選択基準となるもの)
定格電圧最大印加電圧で、これを超えるとアラームが発生し、最悪の場合電子負荷が故障することもあるので注意が必要
定格電流定格電流100Aの電子負荷は無条件に100A流せる訳ではないので注意が必要。これは定格電力によるリミットが働くためであり、例えば300V-100A-5kW定格の電子負荷の場合、300V印加時に100A流せる訳ではない。定格電力5kWの範囲内で使用することが必要。
定格電力上記のように定格電力は、電力リミットという意味合いが強い。
定格周波数範囲電子負荷が動作可能な(追従する)周波数範囲で、これを超えた周波数では使用できないので注意が必要
負荷モード電流の流し方であり、主に次のようなモードが存在する(電子負荷によって異なる) ・CC(定電流) CR(定抵抗) CV(定電圧) CP(定電力) ・リニアCC
CF(波高率)設定クレストファクタとも呼ばれるもので、コンデンサインプット型整流回路(スイッチング電源など)を模擬
PF(力率)設定モータなどのリアクタンス負荷を模擬(電子負荷の方式によって仕様は異なる)

定格周波数範囲

 身の回りの交流の周波数は大半が50Hz(または60Hz)となっていますが、航空機内で稼働している交流の周波数は400Hzが主流であり、約8倍となっています。そのような場合、400Hzまで動作可能な交流電子負荷を選択することが必要です。

負荷モード

 現在販売されている電子負荷には数多くの負荷モードがあり、選択に迷うかも知れません。

負荷モード動作備考
CC(定電流)印加電圧に関係なく電流を一定に保つ 
CR(定抵抗)抵抗の特性を模擬印加電圧に比例して電流も増加する
CV(定電圧)印加電圧が設定値(電圧)になるまで電流を流す電流を増加することで試験対象物の電圧が低下することが前提
CP(定電力)電子負荷内で消費される電力が設定値(電力)になるよう電流を制御する 
リニアCC直流電子負荷のCCモードに近い動作矩形波インバータに有効

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