スイッチング電源自動評価システムの選び方
スイッチング電源自動評価システムとは
「自動計測」や「自動試験」は比較的一般的ですが、「自動評価」については、あまり聞き慣れないと感じる方もいらっしゃるかも知れません。最初にこれらの用語を整理してみましょう。
用語 | 概要 |
自動計測システム | PCなどのコントローラにより各種計測器を自動制御して自動計測するもの |
自動検査システム | 自動計測により取得されたデータ(主に数値データ)を検査規格により良否判定し、検査成績書などを作成するもの |
自動評価システム | 自動計測により取得された膨大なデータ(数値データや波形データ)をもとに評価リポートを作成するもの |
自動試験システム | 自動検査と評価の両方の意味合いを含んだもの |
※これらの用語の切り分けは業界等によって異なる可能性があります。
スイッチング電源自動評価システムの構成
スイッチング電源自動評価システムについては、様々なアプローチがありますので下記は一例とお考え下さい。
機器 | 概要 |
ソフトウエア | 自動計測ソフトウエア、評価リポート作成支援ソフトウエア これらの機能が含まれるものを自動評価ソフトウエアと呼びます |
インターフェース | GP-IB: 計測器用として古くから実績のあるインターフェース(IEEE488) USB: 最もローコストで広く普及している その他: LANなど |
入力側機器 | 交流電源、直流電源、パワーメータなど |
出力側機器 | 電子負荷、リップルノイズメータなど |
汎用機器 | デジタルオシロスコープ、レコーダなど |
環境試験用機器 | 恒温槽 |
このように、スイッチング電源自動評価システムで使用される機器(ハードウエア)は一般的に市販されているものが大半であることから、システムとしてはソフトウエアの重要性が高くなっています。自動評価ソフトウエアはMicrosoft Wordなどの一般的なソフトウエアとは異なり、各種計測器を制御してデータを取得することが必要です。つまり、PC内でクローズしないためバグなどの問題が発生したときの対策は容易ではありません。ソフトウエアの知識に加えて各種インターフェースや様々な計測器に関する知識も必要になるからです。
選択のポイント
スイッチング電源自動評価システムは単品製品と異なり、ソフトウエア(自動評価ソフトウエア)が含まれるためソフトウエアの使い勝手等も含めて判断することが重要です。
スイッチング電源自動評価システム選択のポイント | |
ハードウエア(機器) | 交流電源や電子負荷などの汎用品もしくは、自動評価用途に特化された製品もあります。 |
評価プログラム | 評価プログラムの作成にかかる期間(時間)も無視できません。スイッチング電源の評価技術者はプログラミングのプロではありませんので、そのような方でも容易にプログラミングできる環境が重要です。 |
インターフェース | PCと各機器を接続するインターフェースです。スイッチング電源の自動検査では動画などのような大量データを転送することは有りませんので計測用途で実績のあるGP-IB(IEEE488)で問題ありません。 |
PC(OS) | OSのバージョンアップはつきものですが、PCの機種はそのままでOSのみバージョンアップすると実行速度が遅くなる可能性がありますので、OSのバージョンアップは慎重に行うことが重要です。 |
合わせて読みたい
関連情報
JEITA規格 外部のJEITAサイトが開きます
※Webからの規格閲覧は無料(印刷物は有料)です。RC-9131を検索してみてください。