リップルノイズメータの使い方
リップルノイズメータとは
リップルノイズメータはスイッチング電源の直流出力に現れるリップルあるいはノイズ成分をワンタッチで測定し数値化できる「測定器」です。リップルノイズメータが現れる前は、オシロスコープを使って波形観測し、人間の目で測定値を読み取っていましたが、オシロスコープの操作ミスや読み取り誤差が無視できないことから、人間の手(目)を介さずに自動測定可能なリップルノイズメータが普及しました。
リップルノイズ測定の難しさ
一般的な測定では「不要なノイズ」を出来る限り除去して目的の信号を測定しますが、リップルノイズ測定では、この「不要なノイズ」が測定対象となりますので簡単ではありません。汎用のオシロスコープで測定する場合、次のような点に留意することが必要です。
測定帯域 | 100MHzを超えるような広帯域のオシロスコープで測定すると、スイッチング電源に起因するスイッチングノイズだけでなく、外部のノイズも含めて測定する可能性があります。このため、フィルターなどにより測定帯域をある程度制限することが必要になります。 |
測定プローブ | オシロスコープ標準添付のプローブは汎用プローブであり、必ずしもリップルノイズ測定に適しているとは言えませんので、リップルノイズ測定に適したプローブを使うことが必要です。 |
コモンモードノイズ | 測定対象のスイッチング電源によっては出力にコモンモード成分が含まれている場合があり、測定結果に悪影響を及ぼす可能性があります。その場合、差動プローブによりコモンモード成分を除去することが必要になります。 |
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リップルノイズメータによる測定
当社のリップルノイズメータRM-104は、元々スイッチング電源のリップルノイズ測定用に開発されたものですので、汎用のオシロスコープとは比較にならないほどラクに測定できます。測定の手順は・・・
手順 | 備考 | |
1 | 測定プローブの接続 | 測定プローブは特性インピーダンス50Ωの同軸ケーブルを採用しており、RM-104の内部で高周波終端されています。 |
2 | 測定モード選択 | RIPPLEまたはNOISEを選択 |
3 | フィルター選択 | LF / HF / 20Mの中から選択(どれも選択しないときはフィルター無し) |
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以下の3種類のボタン操作で全ての測定を行うことができます。
測定項目 | 測定モード | フィルター | 備考 |
リップルノイズ | NOISE | LF + HF | FILTERボタンを押すごとに次のように切り替わります。 THURU→20M→HF→HF+20M→LF→LF+HF→LF+HF+20M→THURU ※THURUはフィルター無し |
リップル | RIPPLE | LF + HF | |
ノイズ | NOISE | HF | |
スイッチングリップル | RIPPLE | HF | |
ACリップル | RIPPLE | LF |