電子負荷でできること・できないこと

はじめに

 電子負荷装置は直流電源や交流電源と比較すると、少しわかりにくい機器かも知れません。電圧や電流を出力できる電源に対して、電子負荷は出力できない(受け身)であることがその一因かも知れません。今回はこの電子負荷について「できること」と「できないこと」を整理してみたいと思います。

できること(例)

電源の試験定電流、定電圧、定抵抗、定電力等のモードで負荷をかけることで、電源の性能を評価できます。
バッテリーの試験バッテリーの放電試験を行い、容量や放電特性を評価できます。
パワエレ関連の試験パワーコンディショナやインバータなどの特性を評価できます。
高速応答デバイスの試験高速応答電子負荷により高速応答デバイス(コンデンサ等)の試験が可能です。
電源の応答特性試験負荷の急変に対する電源の応答特性をテストできます。
電源の安定度試験負荷変動試験など
電源の保護機能試験OCP(過電流保護機能)などの保護機能を試験することができます。
電圧・電流測定一般的に直流電子負荷では直流電圧・電流測定、交流電子負荷では交流電圧・電流測定が可能です。
リップルノイズ測定リップルノイズ測定オプション対応の電子負荷ではオプション追加により測定することが可能です。
並列運転電流容量が不足しているとき、複数の電子負荷を並列接続して電流容量を増やすことができます。(いくつかの制約有り)

できないこと(例)

電源供給電子負荷装置は負荷として動作するため、電力を供給することはできません。
高周波特性の評価高周波の信号に対する応答性が限定されているため、高周波特性の評価には向いていません。
直列運転複数の電子負荷を直列接続して、定格電圧を増やすことはできません。

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