直流電源でできること・できないこと

はじめに

 直流電源(直流安定化電源)装置は、直流を電源として動作する機器の試験には欠かせない装置です。今回はこの直流電源について「できること」と「できないこと」を整理してみたいと思います。

できること(例)

直流電圧の出力設定された電圧で「定電圧」動作するというもので、最も基本的な動作です。
リモートセンス機能ケーブルによる電圧の低下(電圧降下)を補正するための機能です。
直流電流の出力設定された電流で「定電流」動作するというものです。
出力電流(電力)の拡張マスター・スレーブ対応の機種では、出力を並列接続してトータル容量(電流・電力)を拡張することが出来ます。
出力電圧の拡張機種によっては、2台の出力端子を直列接続して出力電圧を拡張できる場合があります。
外部アナログ制御PLCなどから出力電圧などをリモート制御可能な機種もあります。
PCインターフェースRS-232C, USB, LAN, GP-IBなど(機種によって装備内容は異なります)
シーケンスモード様々な電圧カーブを再現することができる機能です。
太陽光パネルの模擬SAS(Solar Array Simulator)機能が装備された機種では、太陽光パネルのI-V特性カーブを再現することができます。

できないこと(例)

交流電圧の出力交流電源で直流を出力することは可能な場合がありますが、一般的に直流電源を使って交流を出力することは出来ません。
高精度な電圧・電流測定一般的に直流電源に内蔵されている測定機能は「確認用」を想定しており、高精度な測定をしたいときは外部に測定器を用意する必要があります。
並列運転マスター・スレーブ非対応の直流電源では並列接続により電流(電力)容量を拡張することは通常できません。
直列運転機種によっては2台の直列運転に対応している場合がありますが、注意点や操作性を考慮すると、あまり推奨はされません。

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