FM多重信号ってそもそもナニ?
FM多重信号(FM Multiplex Signal)とは、FM放送において、複数の情報(例:ステレオ音声、文字情報、交通情報など)を送信する為に音声信号に付加するための信号です。FMラジオ放送において多様なサービスを提供する為に様々な方式の信号が存在しています。
主なFM多重信号の種類
FM多重信号では、FM波の中に複数の異なる周波数成分を重ね合わせて、様々な情報を同時に送信します。
- メイン信号(L+R)
〇従来のモノラルラジオでも受信可能な音声信号です。 - サブ信号(L-R)
〇ステレオ放送に必要な左右音声の差分信号です。搬送波抑圧振幅変調された38kHzの信号です。 - パイロット信号
〇ステレオ放送であることを示す19kHzの信号です。 - RDS信号
〇主にヨーロッパで使用されているデジタル情報を伝送するための信号です。DSB変調された57kHzの信号です。北米においてはRDBS(Radio Broadcast Data System)と呼ばれています。 - DARC信号(Data Radio Channel)
〇日本で使用されているデジタル情報を伝送するための信号です。L-MSK変調された76kHzの信号です。
モノラルとFM多重信号の周波数帯域
FM放送では、モノラル信号が0~15kHzの帯域を使用し、ステレオ信号は23~53kHz(38kHzを中心)と19kHzのパイロット信号で構成されています。また、RDS信号は57kHz、DARC信号は76kHzを使い、文字情報や交通情報などを提供します。これにより、多様な情報が同時に伝送されます。
FM多重信号の用途
- ステレオ放送:音声信号をステレオで提供しています。
- RDS(RDBS)放送:1187.5bpsのデジタルデータを伝送します。提供されるデータは、番組情報、ニュース等の文字情報や交通情報等です。
- DARC放送:デジタルデータを16kbpsで伝送します。提供されるデータは、主にカーナビゲーションシステムで使用するVICS情報(道路交通情報)です。
当社製品では、MSG-2174やMSG-2175でFM多重信号の出力が可能になります。
関連情報
MSG-2174
FM多重DARC・RDS(RBDS)信号発生器
2024-05-28
MSG-2175
DARC・RDS・RBDS信号発生器
2024-05-28