RDS(RBDS)とは?

RDS(Radio Data System)は、FMラジオ放送において音声以外のデータ情報を送信するためのシステムです。RDSを使用すると、曲名、アーティスト情報、放送局名、交通情報などのテキストデータをFMラジオの電波に載せて送信でき、対応するラジオ受信機でこれらの情報を表示できます。今現在ヨーロッパの各地で広く普及しており、北米でもその後RBDSとしてRDSを多少モディファイしたかたちで送信されています。

RDS(RBDS)の主な機能

RDSにはいくつかの便利な機能があり、リスナーの利便性を高めるために活用されています。代表的な機能は以下の通りです:

  1. PS(Program Service Name)
    〇放送局の名前(例:「NHK-FM」など)を表示します。ラジオの周波数ではなく、局の名前が表示されるため、局を簡単に識別できます。
  2. RT(Radio Text)
    〇曲名、アーティスト名、番組情報などのテキストデータを表示します。多くのFMラジオ局が音楽情報を表示するために利用しています。
  3. CT(Clock Time and Date)
    〇現在の日時情報を放送します。受信機によっては、この情報で時計を自動設定できます。
  4. TP/TA(Traffic Program / Traffic Announcement)
    〇渋滞情報や交通ニュースを提供する機能です。対応ラジオがTP(交通情報放送)に対応している場合、ラジオは自動的に交通情報を優先的に受信することができます。
  5. AF(Alternative Frequencies)
    〇複数の周波数で放送している局がある場合、信号が弱くなったときに自動的に別の周波数に切り替えます。移動中の受信に便利な機能です。
  6. PTY(Program Type)
    〇音楽、ニュース、スポーツ、天気予報など、放送内容の種類を表示します。リスナーは聴きたいジャンルの放送を探す際に役立てられます。

RDS(RBDS)の仕組み

RDSは、FM放送の中に57kHzの副搬送波を用いて、デジタルデータを多重化して送信します。ラジオ受信機がこのデータを解析し、ディスプレイに情報を表示します。このように、RDSは音声信号と同じ電波でデータを送信するため、特別な通信機器を使わなくても、通常のFMラジオで情報を受信できます。

RDS(RBDS)の利点

  • 情報の視覚化:曲名やアーティスト情報、局名などが表示されることで、放送内容を視覚的に確認でき、リスナーにとって便利です。
  • 利便性:移動中でも自動的に強い信号に切り替わるAF機能や、交通情報を自動で受信するTP機能など、実用的な機能が多数あります。
  • 緊急情報の提供:自然災害や事故などの緊急情報を迅速に伝えることができ、災害時の情報源としても重要です。

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