初心者向けプログラミング講座 
第7回: データの可視化(グラフ作成)

講座の概要については以下からご覧ください。

目的

この回では、測定データを「可視化」する技術を学びます。計測データの理解を深めたり、相手に結果を説明したりするためには、グラフでの表現が非常に役立ちます。Pythonの「matplotlibライブラリ」を使用して折れ線グラフや散布図、棒グラフなどを作成する基本的手法を学び、測定データを見やすくする技術を習得します。

学習内容

  • matplotlibの概要と基本操作
  • 折れ線グラフの作成
  • 散布図の作成
  • データのグラフタイトルやラベルの追加
  • 複数データのグラフでの表現
  • 実践プログラム例
  • 演習問題

1. matplotlibの概要と基本操作

(1) matplotlibとは?

matplotlibは、Pythonでグラフを描画するためのライブラリで、数値データを視覚的に表現するための多彩な機能を提供します。特にデータの分析や報告資料を作成するときに便利です。

(2) matplotlibのインストール

まず、matplotlibをインストールしましょう。(すでにインストールされている場合は不要です)

(3) 基本的な使い方構造

matplotlibには主に次のような使用方法があります:

モジュールインポート:

図の生成と表示:

データを用意する
グラフを作る
ラベルやタイトルを追加する
グラフを表示する(plt.show())

2. 折れ線グラフの作成

測定データを時系列データとして視覚化するには、折れ線グラフが便利です。

(1) 基本構造

以下は、基本的な折れ線グラフの作成例です。

実行結果

3. 散布図の作成

点データをプロットするには、散布図が使用されます。

(1) 基本構造

以下に、散布図作成の方法を示します。

実行結果

点をプロットしたグラフが表示されます。この方法を活用することで、生データを直接視覚化できます。

4. データのグラフタイトルやラベルの追加

データの可視化には、グラフが何を表しているかを明示するために、タイトルや軸ラベル、凡例を追加することが重要です。

(1) 関数と基本的な使用法

タイトルを付ける:plt.title(“タイトル名”)
X軸ラベル:plt.xlabel(“ラベル名”)
Y軸ラベル:plt.ylabel(“ラベル名”)
凡例:plt.legend()

例:ラベルとタイトルの追加

以下では、ラベルやタイトルを含むグラフを作成する例です。

実行結果

5. 複数データのグラフでの表現

複数の測定データを1つのグラフに表示することで、比較がしやすくなります。

(1) 基本構造

異なるデータを複数回プロット

例:複数データのプロット

実行結果

異なる測定チャネルのデータを比較する折れ線グラフが作成されます。

6. 実践プログラム例

プログラム例:計測データをグラフ化するプログラム
以下のプログラムは、測定データを取得し、グラフとして表示する完全なワークフローを実装しています。

実行結果

7. 演習問題

演習問題 1: 測定データの視覚化

以下のプログラムを完成させてください。
計測器から取得したデータ(例:時系列)をグラフにプロットします。
タイトル、ラベル、凡例を適切に追加してください。

解答例を表示

実行結果(例)

演習問題 2: 複数チャネルのデータをグラフ化

ダミーデータとして、2つの異なる測定チャネルに対応するデータを用意してください。
それぞれのデータを1つのグラフにプロットし、ラベルや凡例を正しく追加してください。

解答例を表示

実行結果(例)

次回予告

次回(第8回)は、「測定データの応用処理とレポート生成」を学びます。本回でグラフ化したデータを結合し、CSVファイルやPDFレポートの形式で出力する方法を学びます!