UPS導入ストーリー 
停電の背後に潜む影(ミステリー編)

今回は、UPS(無停電電源)の導入ストーリーをミステリー(謎解き)仕立てで書いてみました。美味しいコーヒーでも飲みながら気楽にお読みください。

序章:消えたデータの謎

ABC電機製造株式会社の設備担当・山田義明は、夜遅くまで稼働している工場の監視システムに異常が生じているのに気づき、深夜の工場へ駆けつけた。しかし、到着した時にはすべての機械が沈黙しており、不気味な静けさが工場内を支配していた。
「何が起きた……?」
PCのモニターを確認すると、致命的なエラーメッセージが表示されていた。
「データ破損。復元不可能――?」
山田は背筋が凍る思いだった。試作中の新型電子機器の生産ラインが突然停止し、ログデータも消えていたのだ。しかも、復元の見込みはゼロ。事態に頭を抱えていると、ふと外の景色が目に入る。気づけば周囲一帯が真っ暗だった。
「停電……こんな時間に?」
山田は違和感を覚えた。というのも、この工場にはバックアップ電源があるはずだった。それが稼働しなかったのは何故なのか。

第1章:茂高という謎の男

翌朝、原因究明のために呼び出されたのは、計測技術研究所(以下、KG)の営業担当・茂高(しげたか)亮介だった。工場内を歩きながら、茂高はずっと山田に質問を投げかけていた。
「山田さん、この工場のバックアップ電源ですが、どれくらい管理されています?」
「いや……それは基本的に動かさないものだからな。非常事態用だ。」
「そうですか……。だとすれば、怪しいですね。」
「怪しい?」
茂高の口調が妙に含みを持っていた。「山田さん、電源設備やライン制御装置だけが壊れるなんてあり得ません。工場全体で負荷を見直すべきです……。が、それにしても“タイミングが良すぎる”と思いませんか?」
茂高の言う通りだった。停電したのは深夜の1時47分ちょうど。外部とのアクセスログも、その瞬間だけ完全に途絶していた。
「一体どういうことだ……?」
山田が困惑する中、茂高は確信を持った表情で言った。
「この問題を解決する鍵はUPSにあります。そして、この“停電”の裏には、電源障害だけじゃない“何か”が隠れている気がしてなりません。」

第2章:UPSの提案と不穏な影

茂高は工場内の配電盤やライン制御装置を念入りに点検すると、UPS(無停電電源装置)の導入を提案した。
「UPSを使えば、瞬間的な停電=瞬停が起きても、ラインを安定稼働させ続けられるようになります。また、ログがすべて記録されるので、今回のように原因不明のトラブルが起きた場合でも、電源の状況を正確に解析できますよ。」
「瞬停……そんな一瞬の停電で、工場全体が止まるのか?」
茂高がうなずいた。
「特に精密機器の場合、商用周波数1サイクル程度の電圧低下でも動作が不安定になります。UPSがなければ、せっかくの重要なデータや生産計画が一瞬で吹き飛んでしまいます。」
言葉には重みがあった。だが、何か気になる――山田の目には、茂高の背中に何か背徳の影が見え隠れしているように感じたのだ。
「君はなぜ、こんなにUPSの重要性を私に強調するんだ?」
茂高はふと口元を緩め、低く言った。
「それは、山田さんの工場だけの問題ではないかもしれないからですよ。」

第3章:停電の真実

新たにUPSを数台導入し、工場のラインを万全の体制に整えた数日後、再び深夜1時47分、付近一帯を停電が襲った。しかし、今回はUPSが瞬間的に生産ラインに電力を供給し、工場全体は無事に稼働し続けていた。
翌朝、UPSのログを解析した茂高は、意外性に満ちた言葉を口にした。「山田さん。この停電、偶然じゃありませんでしたよ。」
茂高が手にしていたのは、UPSの詳細なイベントログだった。そこには、電源が切れる直前の電圧値の低下とともに、外部からの異常な「電磁ノイズ」の存在が記録されていた。
「どういうことだ?」
山田が問うと、茂高は小声で答えた。
「何者かが意図的に、この工場を狙った可能性があります。電力供給を利用して、設備の脆弱性を攻撃するためにね。」
「まさかそんな……!」
茂高の表情は読み取れない。「時代が変わるにつれ、工場もサイバー攻撃の対象になります。ABC電機は先端技術を使っていますから、試作データを狙われても不思議じゃない。でも、安心してください。このUPSがある限り、少なくとも“ヤツら”が簡単に忍び込むことはない。」

終章:見えない敵、見える備え

その日以来、工場はUPSを活用した電源管理体制を強化し、不審な電力障害も完全にシャットアウトできるようになった。山田は、これまで自分がいかに無防備だったかを痛感しつつ、茂高と共にラインの改善策を広げていった。
「UPSは単なる装置じゃありませんよ。目に見えないリスクを予測し、防ぐための盾のようなものです」と茂高は言った。
山田は微笑みながら答える。
「ありがとう、茂高君。だが君の言う“何か”も、まだ完全には解明されていない気がするけどな。」
「それは……どうでしょうね。」
茂高の笑みもまた、どこか謎めいているようだった。UPSのおかげで工場は安全になったが、停電の真の原因――いや、影を落としていた“誰か”は、依然として闇に埋もれたままだった。
人生にトラブルはつきものだ。そして、それが「誰かの意思」によるものなら、見えないところで戦う準備が必要だろう。UPSはただの電源装置ではない。見えない脅威から守る静かな英雄――そして、山田にはそれがわかり始めていた。

※物語に登場する会社名、人名等は全て架空のものです。

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